業務ソフトウェア大手のSAPが、Praxis Software Solutionsを買収した。SAPは自社製品にPraxisのオンデマンドアプリケーションを組み込む意向だ。
Praxisの技術が組み込まれようとしているのは「SAP Business One」である。同製品は、中小企業がオンラインストアを出店したり、インターネット経由で顧客関係管理(CRM)機能を利用したりできるようにする製品だ。
SAPは、長年のパートナーであるPraxisを買収することで、2つの重要なアプリケーション「NetPoint Commerce」「NetPoint Focus」を手に入れることになる。前者は、カスタマイズ可能なショッピングカートと顧客サポートの両機能を提供する電子商取引パッケージで、企業間(BtoB)と企業-消費者間(BtoC)の両方のニーズに対応するデータアクセスを1つのウェブサイト上で提供する。また、SAP Business One Systemからの価格や在庫のデータとも連携する。後者のNetPoint Focusはキャンペーン管理と予想機能を備えており、 SAP Business OneのCRM機能を補完する役割を果たす。
NetPoint製品がBusiness Oneに組み込まれることについて、Gartnerのアナリストは、SAPが新製品作りにおいて、新規顧客の獲得より(SAPの)既存顧客の維持を強く意識していることの裏付けだと述べる。
GartnerのCRM担当バイスプレジデントGene Alvarez氏は、「PraxiのクライアントベースはSAPの顧客約100社だ。SAPが購入した製品は、既存のBusiness Oneの顧客に売り込むためのものだ。これが市場拡大につながるだろうか?私にはそうは思えない」と述べている。
たとえば、OracleのJ.D. Edwards製品を既に利用している企業は、SAP製品と既存のバックオフィスを統合することの意義に疑問を抱くかもしれないと、同氏は語っている。
Alvarez氏はまた、ウェブ店舗やCRMツールを探し求めている企業には、豊富な選択肢が用意されている、とも指摘した。
「ちょっと見渡しただけでもDemandware、MarketLive、NetSuite、Venda、Access Commerceなどがある。さらに、市場では製品が増加傾向にある」とAlvarez氏は述べている。
一方、オンデマンドCRM分野で侮れないのがSalesforce.comだ。
Gartnerによると、2005年の57億ドルから13.7%の成長を遂げたCRM市場を現在リードしているのはSAPだという。Gartnerは6月、ワンストップショップを目指す企業が自社サービスの不足を補おうとする動きに出るため、CRM業界の整理統合はまだまだ続くだろうとの予測も示した。
Praxisは株式非公開のソフトウェアベンダーだった。SAPとの取引条件の詳細は明らかにされていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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