Sun Microsystemsは米国時間3月21日、「UltraSPARC T1」(Niagara)プロセッサの基盤デザインをGNU General Public License(GPL)でリリースする予定であることを明らかにした。
この動きにより同社は、幅広く利用されているオープンソースライセンスを適用するという、Sun社長のJonathan Schwartz氏が1月にOpen Source Business Conferenceで語った約束を果たすことになる。今回の予定については、SunのSPARCサーバグループ担当エグゼクティブバイスプレジデントDavid Yen氏が、Sunの本社もあるカリフォルニア州サンタクララで開催中のMulti-Core Expoで説明するとみられている。
SunのUltraSPARC T1には「コア」と呼ばれる処理エンジンが8つあり、それぞれが、「スレッド」と呼ばれる命令シーケンスを4つ同時に処理できる。比較的速度の遅いメモリからデータを取得するために1つのスレッドが止まっても、コアがスレッドを切り替える。このアプローチにより、「T2000」サーバや、近い将来登場する「T1000」サーバは、単体で動作するチップ上ではさほど速く処理できないジョブでも、多数を高速に並行処理できるようになる。
このOpenSPARCプロジェクトは、IBMのPowerと、IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)のx86チップにここ数年間マーケットシェアを奪われてきたSunのSPARCファミリーの適合性を改善させることを目的としている。Sunは、同デザインをVerilogフォーマットで公開することが、研究プロジェクトや市販製品の開発を推進すると期待している。
GPLはRichard Stallman氏が開発したもので、同氏のフリーソフトウェア運動の土台となっているほか、オープンソースソフトウェアのコンセプトとも関連が深い。修正を加えたバージョンを流通させる場合に変更部分を同じライセンスで公開することさえ守れば、だれでもプログラムの基盤となるソースコードを公開し、修正を加え、流通させることができる。
SimplyRISCという企業では、消費電力を抑えなくてはならないケースが多い組み込みコンピューティングデバイス用に、シングルコアバージョンのNiagara採用を計画している。また、Aldecというチップデザインベンダーには、Verilogデザインのシミュレーションができるよう、「Riviera」と呼ばれるソフトウェアを90日間無償で試用可能にする計画がある。
Sunはこれらのチップデザインと関連し、UltraSPARCチップが実行できる命令セットを規定したUltraSPARCアーキテクチャ2005、チップデザイン上でソフトウェアをテストするための検証ソフトウェアとシミュレーションモデル、このようなシミュレーションで利用できる「Solaris 10」をOpenSPARC.netサイトで公表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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