サンフランシスコ発--Intelが近い将来発売するItaniumプロセッサ「Montecito」の消費電力は、現行モデルの130ワットより大幅に少ない100ワットになる。消費電力が問題視されるこの時代において、これは大きな売りとなる。
Intelの広報担当Scott McLaughlinは、当地で開催されたItanium Solutions Allianceのミーティングでこの数値を正式に認めた。これは、1ワットあたりの処理能力が現行のItanium 2 9Mモデルと比べて約2.5倍になることを意味する。
McLaughlinによると、Montecitoでは90ナノメートルの製造プロセスを導入し、チップ上の回路が小型化されたことが、消費電力の低下につながったという。現行のItaniumでは、130ナノメートルの製造プロセスが採用されている(1ナノメートルは10億分の1メートル。Intelは、PC用プロセッサを既により高度な65ナノメートルプロセスで製造しているほか、45ナノメートルプロセスで製造した試作チップのデモを行ったばかりである)。
Microprocessor Reportの編集長Kevin Krewellは、「17億個のトランジスタを100ワットの電力で動かすのは大変なことだ。ワットあたりのパフォーマンス向上がこれまで以上に求められている」と語っている。
その一方でKrewellは、Montecitoの消費電力低下には、スケジュールの延期や、スピードやクロックスピードなどの点における妥協といった犠牲が伴ったことも事実だと指摘する。Intelは2005年10月にMontecitoのスケジュール延期を発表している。また、IntelはMontecitoの最高周波数を1.8GHzから1.6GHzに落とし、Foxtonという機能もあきらめた。Foxtonとは、十分に冷却された環境下で、チップの性能を2GHzまで高められる機能だった。「重要な機能が搭載されず、発売が9カ月も延期されたことは残念だ」(Krewell)
チップ消費電力の増加や、コンピュータ内部の高密度化、電気料金の上昇に頭を悩ますサーバベンダー各社は、チップがもつワットあたりの処理能力に注目するようになっている。Sun Microsystemsは、UltraSparc T1「Niagara」プロセッサの消費電力が72ワットであることをしきりに宣伝しているし、Advanced Micro Devices(AMD)も、競合するIntel Xeonの消費電力が110〜165ワットであるのに対し、Opteronチップが95ワットで動作する点を売り込んでいる。
Intelは、将来のItaniumの消費電力が100ワットを切り続けるのか否かについて言及していない。しかしMcLaughlinは、「ワットあたりのパフォーマンスは将来的に、とても重視されるようになる。これは、パフォーマンスが少し高ければ他社製品に比べて有利になるという程度のものではなく、きわめて重要な鍵を握るようになるだろう」としている。
消費電力の改善により、Itaniumの売上は大きく拡大する可能性がある。かつては、Itaniumがサーバの世界を席巻すると見られていたが、度重なるスケジュールの遅れや、パフォーマンス不足、ソフトウェアとの非互換性などの要素が重なり、Intelは苦戦を強いられてきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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