Microsoftは、「Office 12」でAdobe PDFフォーマットでのドキュメント発行を実現する。同社のプロダクトマネジャーが米国時間10月1日に明らかにした。
Microsoft OfficeのプログラムマネジャーBrian Jonesは、2006年後半完成予定のOffice 12ではOfficeのドキュメントをPDFフォーマットに変換できるようになる、とブログに書いている。ただ、Officeのアプリケーション内ではPDFファイルを実際に読むことはできず、PDFビューアは必要になると、同氏は指摘している。
Jonesによると、PDFは「Word」「Excel」「PowerPoint」「Access」「Publisher」「OneNote」「Visio」および「InfoPath」の各アプリケーションでサポートされるという。
Jonesは自身のブログに、「これまでは、複数のプラットフォームにまたがるドキュメントの共有や長期アーカイブが非常に重要だとのフィードバックが多かった。これで選択肢が2つになった。既存のHTMLやRTFのサポートと、新にサポートされるオープンXMLフォーマットとPDFだ」と書いている。
Office 12では、MicrosoftによるXMLベースのドキュメントフォーマットがデフォルトになる。Microsoftの幹部らによると、XMLベースのフォーマットが用意されれば、ドキュメントの情報共有およびアーカイブがより簡単になる利点があるという。
また、マサチューセッツ州が州内の各行政機関で利用するデスクトップ生産性アプリケーションへのOpenDocumentフォーマット搭載義務付けを9月決定したことで、ドキュメントフォーマットを複数用意することの重要性が一段と明確になってきた。同州では、AdobeのPDFは「オープンフォーマット」と見なされている。MicrosoftのOffice 12はOpenDocumentをサポートしない。
MicrosoftはPDFをサポートする一方で、PDFと同じ機能を多数提供する「Metro」というドキュメントフォーマットの開発にも取り組んでいる。Metroは、Windows Vistaに搭載されて2006年後半に登場する。
Metroがあれば、OfficeアプリケーションがなくてもOfficeの書類を表示できるようになる。Microsoftによると、同フォーマットはWindows Vistaのグラフィックエンジンを使うことで、データの画面表示とプリンタへの書類データ送信を一致させるという。
Microsoft Office担当シニアバイスプレジデントSteven Sinofksyは同日、Microsoftが同社のパートナー各社と行った会合でPDF機能のデモを行った。PDF機能を搭載したOffice 12のベータテストバージョンは今秋リリースされる見通し。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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