日立と日本気象協会、洪水を3D可視化するシミュレーション技術を開発

ニューズフロント2005年08月22日 14時20分

 日立製作所と日本気象協会首都圏支社は、堤防決壊や河川はんらんによる洪水の状況を可視化できるシミュレーション技術を共同開発した。日立が8月22日に明らかにしたもの。全国を対象に、50m四方単位の精度を持つ洪水シミュレーションをパソコンで実行できる。

 このシミュレーション技術は、地域ごとの地理情報に対応した洪水の予測を可能とし、洪水対策としての行動計画立案など、自治体の防災業務に寄与する。シミュレーションの結果と現地の調査結果とを比較したところ、両者が非常に近いという事実を確認できた。「同シミュレーションは実用性が高い」(日立)。

 日立によると、洪水現象の特徴である境界領域を集中して計算する新たな計算手法を開発したことにより、PCの計算処理性能の範囲内で、高精度なシミュレーションが可能になった。また、地理情報システム(GIS)の3次元座標上とシミュレーションを連動させる技術も開発した。数値計算と同時に、3次元地図上で結果を可視化できる。

 なお、同洪水シミュレーション技術は、日立エンジニアリングサービスが製品化を進めており、2006年度に販売を開始する予定である。

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