サンフランシスコ発--Intelが米国時間3日に、プロセッサ間でデータをやりとりするための新しい方法を発表する予定であることが、CNET News.comの取材で判明した。この技術により、プロセッサのパフォーマンスを向上させる上で非常に大きなハードルを乗り越えることができる、とIntelはいう。
TSV(Through Silicon Vias)と呼ばれるこの技術は、パッケージ内部でプロセッサを積み重ね、上面と底面のプロセッサ間で接続を確立するというもの。
2001年、同社のベンチャー投資部門であるIntel Capitalは、TSV技術を持つTru-Si Technologiesに投資を行った。Tru-Si Technologiesは自社のウェブサイト上で、この技術がどのように動作するのかをデモストレーションしている。
Intelの技術方針決定の役割を担うシニアフェローのJustin Rattnerが3日に、Intel Developer Forumの会場でTSVについて説明する計画である。
高速なプロセッサや現在のデュアル、あるいはマルチコアプロセッサはそれぞれ、PC内部の異なるシリコン片間でデータの転送を行う上で問題を抱えている。
複数の企業が、この問題に対する解決策を提案している。例えば米Sun Microsystemsでは、接触通信(Proximity Communication)の普及に努めている。この技術は、現行の設計でプロセッサ間の接続に使われているワイヤを取り払い、チップ同士を直接つなぐというもの。
Intelではまた、デュアルコアプロセッサにおいてコア間のより高速な通信を確立する手段を模索していると、同社Digital Enterprise GroupのバイスプレジデントSteve Smithが述べている。
だが、新しいプロセッサの内部通信の登場は決して容易なものではない。例えばTSVでは、積み重ねられるプロセッサが同一サイズになっていなければいけない。
IntelのDigital Enterprise Groupを率いるリーダーの1人で、元CTOのPat Gelsingerは、Intelでは接触通信の研究を進めているものの、現在のところ需要はないとの見解を示している。現在、銅線による通信が2.5Gbpsでデータを転送可能であり、将来的にも特に革新的な技術を採用しなかったとしても4倍まで通信速度を引き上げることが可能だと、Gelsingerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス