韓国のメモリ大手Samsung Electronicsは、メモリ市場の景気改善に備え、今後3年間にわたりテキサス州オースティンのチップ製造施設に5億ドルを投資する計画だ。同社は今週中に、正式発表する予定。
Samsungは同社のオースティン工場で既にチップを製造しているが、製造方法を90ナノメートル製法にアップグレードする、と同社代表は話している。90ナノメートル製法のチップは、現行の130ナノメートル製法のものよりも小型で、製造コストも安く済む。オースティンの施設では、デスクトップやノートパソコン用のさまざまな種類のDRAMを製造する予定だという。
メモリの価格は、2002年初頭には異例の上昇が見られたが、その後は下落の一途をたどっている。価格の下落が続いている原因としては、過剰な生産能力と、パソコン需要の低下が挙げられる。
こういった状況のもと、競合企業が赤字に転落しているにも関わらず、Samsungは依然黒字状態を保っている。同社は第1四半期に、9億4200ドルの黒字を計上した。一方、競合企業はここ数年、借金返済のためメモリ市場から撤退したり、他社との合併を検討したりしている。
iSuppliの調査によると、Samsungは2002年の売上が、前年比49%増の90億ドルに達し、世界のメモリメーカー第2位となった。売上増は主に、ダブルデータレート(DDR)DRAMとフラッシュメモリの売上によるものだ。
今月になって、米商務省は、Samsungが韓国政府から不正に補助金を受け取り、原価割れする価格設定のメモリを米国内で販売していたと発表。しかしこの補助金の効果はごくわずかで、同社の処罰もごく小さなものになる、とアナリストらは予想している。なお、競合する韓国のメモリ製造会社Hynixも同様の行為を行なっていたが、Samsungとは対照的に、57%の関税を課されると見通しである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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