Microsoftは、警察が暗号化ファイルにアクセスするために用いるバックドアを「Windows Vista」に搭載することはないと明言した。
BBC Newsは2006年2月、英政府がMicrosoftとともに、Windowsオペレーティングシステムに対するバックドアアクセスについて検討していると報じた。バックドアは、通常の認証を回避して、PCユーザーに知られずにコンピュータにアクセスする方法を指す。
しかしMicrosoftは現在、警察がこうしたアクセスを行うかもしれないという憶測を否定している。
同社の関係者が電子メールで発表した声明には、「Microsoftは『バックドア』をWindowsに実装していないし、する予定もない」と記されていた。
今回の議論は、Windows OSの次期版であるVistaに搭載される予定の「BitLocker Drive Encryption」というセキュリティ機能を軸に展開されている。BitLockerは、コンピュータの紛失や盗難に備えて、データを暗号化する機能だ。
同機能により、警察が押収したコンピュータのデータを調査することが難しくなると考えられている。
Microsoftの開発者兼暗号研究者Niels Fergusonは米国時間3月2日、同社のブログに「バックドアに関するくだらない噂」と題した投稿を行い、「われわれが各国政府と共同して、BitLockerで暗号化されたデータにいつでもアクセスできるように、バックドアを搭載するという憶測が広まっている。だが、そんなことを許すつもりは絶対にない」と記した。
Microsoftは、さまざまな政府とVistaをめぐる話し合いを進めている。しかしそうした話し合いは、VistaおよびBitLockerを利用してセキュリティを高めることに関するものだと、Fergusonはブログに記載している。「警察組織からの問い合わせも受けている。警察は、いずれはBitLocker暗号データを解読する必要に迫られると考えており、準備を整えておきたいと思っているようだ」(Ferguson)
しかし、「バックドアを利用できるようにはならない。そもそも、みずから進んでバックドアを実装し、検証する者を、このチーム内に見つけることなどできないだろう」と、Fergusonは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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