Microsoftは先ごろ、Officeを新規にインストールする場合、新しく出されたアップデート版を使用しなければならないとする勧告を発したが、これによって多くの企業に影響がでる可能性が高いとする調査結果が明らかになった。
Microsoftは1月末に、Officeに関連する特許権侵害訴訟で敗訴したことを受け、「Office 2003」ならびに「Office XP」を新たにインストールする際は、修正を加えた新バージョンを利用しなければならないと法人顧客に通知した。
企業資産の追跡を専門とするカナダのAsset Metrixは米国時間6日、Officeを利用する企業の2割以上で、Microsoftがアップデートを余儀なくされたバージョンが使われているとの調査結果を明らかにした。また、残り78%についても、大多数がさらに以前のバージョンを利用しているという。古いバージョンの利用者は今後、Officeを新バージョンに切り替える際に、パッチが適用されたバージョンを入手しなければならなくなりそうだ。
AssetMetrix最高経営責任者(CEO)のJeff Campbellは取材に応じ、「Office XPやOffice 2003 Professionalの利用者は、この問題の影響を受けると考えた方がよい」と述べた。
この措置は、2005年にカリフォルニア州オレンジ郡で審理され、グアテマラ人発明家のCarlos Armando Amadoに特許権を認めた裁判の判決を受けたもの。MicrosoftはAmadoが1994年に取得した特許を侵害したと判断され、890万ドルの損害賠償支払いを命じられた。
その結果、Microsoftは「Office 2003」と「Office XP」について、「Access」と「Excel」との連携方法を変えた新バージョンの投入を余儀なくされた。同社では、世界中の顧客に電子メールを送付し、新たに「Office 2003」や「Office XP」をインストールする場合、この変更を含む新しいアップデート版を使わなくてはならないと呼びかけている。
CNET News.comが入手した顧客向けのメールには、「先ごろ行われた裁判で、Microsoft Office Professional Edition 2003、Microsoft Office Access 2003、Microsoft Office XP Professional、Microsoft Access 2002に含まれるコードの一部が、第三者の特許を侵害しているとの裁定が下った。そのため、Microsoftでは、これらの製品の改訂版を用意し、特許の侵害が認められた部分のコードを修正しなければならなくなった」と記されている。
すでにインストール済みのOfficeについてはアップデートの必要はないが、Campbellによると、企業のなかにはすべてのマシンで同一バージョンのソフトウェアを使うことを求める方針のところも多いという。
「われわれの顧客のなかには、ソフトウェアのバージョンが異なると問題となるところも多い」(Campbell)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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