Corelは自社の「WordPerfect Office」を「世界ナンバー1のMicrosoft Office代替製品」とうたっている。だが、2005年の米小売市場における販売数で、同社の製品はやや意外なライバルに第2位の座を奪われてしまった。そのライバルとはApple Computerの「iWork」だ。
市場調査会社NPDによると、販売本数ベースでは、Appleが2.7%のシェアを獲得したのに対し、Corelのシェアは1.6%だったという。また、Microsoftはおよそ95%のシェアを占め、圧倒的な優位を維持した。
コンピュータ市場におけるMacのシェアは微々たるものであり、iWorkがMac専用であることを考えれば、Appleの獲得したシェアは称賛に値するものだと、NPDのアナリストChris Swensonは述べている。「AppleはiWorkで非常に驚くべき成功を収めてきている」(Swenson)
Macプラットフォームだけを見ても、Microsoftのシェアが約82%だったのに対し、iWorkのシェアは17.4%を占めた。「iWorkのシェアがMicrosoft Officeのシェアを上回わったわけではない。だが、Microsoftのような不動のライバルを向こうに回して、Mac用オフィススイート市場で5分の1のシェアを獲得したことは、たいしたものだと思う」(Swenson)
一方、CorelのWordPerfect Officeは、販売本数こそ前年比で6.1%増加したものの、売上高は0.7%減少したとSwensonは述べている。同氏によると、Corelの製品は小売店頭であまり宣伝に力を入れられていない感があるという。
「Corelは小売店への対応を一段と強化する必要があると思う」(Swenson)
Corelは先ごろWordPerfect Officeのアップデートした。一方、Microsoftでも大規模アップデートとなる「Office 12」を今年中にリリースする予定だ。
iWorkのオフィスソフト市場参入は比較的最近のことで、同製品は2005年1月に発表された。Appleは今月はじめにiWorkのアップデート版を発表した。新しいiWorkでは、ワードプロセッサの「Pages」とプレゼンテーションプログラムの「Keynote」に表組み機能が追加されているが、一部で予想が出ていた表計算プログラムは追加されなかった。
また、一部のAppleファンサイトでiWorkの当初の売上が鈍かったと報じられたが、これは明らかに誤報だった。
「これで、iWorkの売上が芳しくないとの噂は消えるだろう」(Swenson)
なお、ディストリビュータを通じた販売など小売店以外のチャネルを加味した場合、WordPerfect Officeの販売数はiWorkの10〜15倍に上り、またDellをはじめとするPCメーカー各社も自社製品に同ソフトウェアを同梱する場合があるとCorelは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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