中国におけるLinuxディストリビューションの業界標準遵守をねらい、Linuxの認証研究所が同国で開設された。
「Linux Standards Base(LSB)」を管理する米国の非営利団体Free Standards Group(FSG)によれば、このような研究所が米国外で開設されたのは初めてであり、運営にはFSGと中国電子技術標準化研究所(CESI)が共同で当たるという。
LSBは、Linuxベースシステムの不適切な派生を防ぐために作られ、Linuxマシン間の相互運用性を向上するために、バイナリ共通規格の開発および促進を目的としている。
FSGのマーケティング担当ディレクターであるAmanda McPhersonは、ZDNet Asiaによる電子メールでの取材に対し、中国での研究所開設については、同国政府の方からFSGに持ちかけられてきたものだと述べた。
「中国政府の希望としては、われわれの規格を同国の規格として採用し、それを試験および認証できるようにすることだった」とMcPhersonは説明した。「各構成要素の中国語訳や、同国のソフトウェア提供業者との連携向上のために、認証機関が中国に必要とされていた」(McPherson)
中国政府がLSB規格の使用および認証を承認することは、Linuxの世界統一規格を維持するための重要なステップである、とMcPhersonは述べる。これはまた、Red HatやNovellなどのLinuxディストリビューションのみならず、Intelなどのハードウェアベンダーのための巨大な市場の開放につながるであろう。さらに重要なことには、同研究所が断片化をなくすことで、Linuxの使用が拡大されるであろう、とMcPhersonは予測する。
Linuxの成長に対する最大の障壁のひとつは分派である。分派が発生することで、Linuxディストリビューションのために書かれたソフトウェアが他のLinuxディストリビューションでは動作しなくなる場合がある。LSBの目標は、規格に準拠したLinuxオペレーティングシステム(OS)ならばソフトウェアアプリケーションの動作が可能になるバイナリ標準を開発および促進することである。
中国では現在、多数のLinuxディストリビューションが存在する。主要なディストリビューションとしては、Sun Wah Linux、Red Flag Linux、CS2C Linux、Red Hat、Novell SUSEなどがある。これらは全てLSBに準拠している、とFSGのエグゼクティブディレクターを務めるJim Zemlinは述べる。「もし中国でLinuxの非標準バージョンが根付いていたとしたら、当地でのLinux使用は著しく妨げられていたであろう」(Zemlin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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