ニューヨーク発--検索大手Googleはこのところさまざまな分野に手を出しているが、新たな年を迎えるに当たり、企業向け検索製品の普及促進に力を入れるようになっている。
Googleのエンタープライズビジネス担当ゼネラルマネージャDave Girouardは米国時間14日、ニューヨーク市で開催された企業向け見本市「Interop」の基調講演で、同社と同社の検索ツールが21世紀の企業のニーズを満たせることをIT管理者らに向けて説明した。
「Googleとエンタープライズは、テレタビーズ(イギリスで制作された人気幼児番組で、世界中で放送されている)と核融合ほどに相反するもののように聞こえるだろう」と、Girouardは冗談めかす。「直感的にしっくりこないという人が多いはずだ」(Girouard)
一般向け検索エンジンが最もよく知られているGoogleだが、同社は1年以上も前から企業向け検索に対する地道な取り組みを進めており、こうした事業は今後も成長を続けると見込んでいる。
Girouardは基調講演後にインタビューを受け、「エンタープライズ分野には検索ビジネスに関する大きなチャンスがあると考えている。当社の売上に占める割合はまだ小さいものの、利益を生む可能性は大いにあり、今後の成長を期待している」と語った。
Googleがエンタープライズ製品を提供していることはほとんど認知されていないが、同社の企業分野における存在感は拡大しつつある。Interopの主催者が参加者を対象に実施した調査では、Googleは2006年の企業市場に大きな影響を与える企業のトップ3に入ると予想されていることがわかったと、同イベントのゼネラルマネージャLenny Heymannは述べている。そうした企業には、ほかにMicrosoftおよびCisco Systemsの名が挙がっている。
Googleは現在、同社の検索ソフトウェアを搭載する事前設定済みのサーバなど、さまざまな検索アプライアンスを販売している。こうしたサーバでは、社内/社外のウェブサイト上のドキュメントに索引を付与し、Googleの検索ボックスを用いて簡単に検索できるようになる。
Girouardは、Googleの検索アプライアンスで企業文書やURLをインデックス化すれば、Google.comからウェブを検索するときと同じように企業ウェブサイト上のドキュメントを検索できると話した。
これらのデバイスの価格は、小規模企業向けの「Google Mini」が3000ドル、最大50万件のドキュメントを処理できる大企業向けの製品が3万ドルとなっている。
Googleの目的は、あらゆる情報を検索可能にすることだという。企業に従事する人々は、情報を探すのに1日平均25%を浪費しているとGirouardは指摘し、Googleおよび同社の企業向け検索ツールが従業員の業務効率を向上させられると続けた。
同社はすでに、Morgan Stanleyを含む2000社以上の企業顧客を抱えている。しかしGirouardは、特にセキュリティ問題に関連して、同社の企業検索ツールの機能に懸念を持つ企業が存在していることを認めた。
Googleの同アプライアンスは、個々の従業員ごとに検索結果をフィルタリングするよう、デザインされている。企業は、どの情報を検索可能とするかを決めておき、どの従業員がどの情報にアクセスできるのかを規定するポリシーを設定しなければならないと、Girouardは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス