カリフォルニア州ロサンゼルス発--Microsoftの研究者が、前景レイヤーから人間などの画像を削除し、その人間がさえぎっていた背景レイヤーの画像を復元させる技術を開発した。中国にある同社の研究所で開発されたこの技術は、当地で16日まで開催された「Microsoft Professional Developers Conference 2005(PDC)」の展示会場でも披露されていた。
MicrosoftがPDCの会場で公開していた同技術の応用例は、道端に立っている子供の姿を画像から削除して、その背後の美しいカーブの道路のみを表示させるというものだった。同技術を利用すると、これが簡単に実現できてしまうのである。
確かにこの技術を利用すれば、上記のようなことが簡単に実行できそうだ。だが、Microsoftが行ったデモからは、同社がこの技術をどのようなアプリケーションで利用すべきか考えあぐねていることを、伺い知ることができる。
もちろん、これは、美しい写真から「昔のパートナー」を削除するには便利な技術だ。子供を置き去りにしてハワイの休暇に出かけることはできない人でも、子供のいない休暇の写真は作ることができそうだ。
PDCではこのほか、「仮想風化シミュレーション」という写真加工技術も公開されていた。これは、風化シミュレータを利用することで、例えば、消火栓にコケや汚れを付加するなどの画像処理を施すことができるというものだ。このような機能が必要となるケースはきっとあるはずだ。
Microsoftは、2005年夏に開催されたコンピュータグラフィックスイベント、「SIGGRAPH 2005」でもこれら2つの技術を展示していた。これらの技術は、まだ研究の途中段階にあるが、将来的には、ユーザーが自分が望む写真を作成できるようにするうえで役立つと見られる。
また、MicrosoftがPDCの参加者に配布した「Windows Vista」のCTP(Community Technology Preview)版からは、少なくともTablet PCに関して、Microsoftがどういう方向を目指しているのかを知ることもできる。
このCTP版には、次期Windows Media Centerのコードが含まれていた。同社がこのコードを社外向けに公開するのは、これが初めてだった。Microsoftは今秋にも、同OSのマイナーアップデートを予定していることから、同社の幹部はMedia Centerの計画に関しては口を閉ざしてきた。
Microsoftの広報担当は、VistaのCTP版に含まれているコードについて「顧客に提供される最終版のサンプルではない」と述べている。
また同担当者は、「今回配布したWindows VistaのCTP版は、ローカルマシンやホームネットワーク内にある大量の音楽や動画コンテンツを迅速かつ容易にブラウズできるよう支援するための初歩的な動きなど、Vistaで行われるアップデートや機能強化の一部を見せるものだ」と電子メールに記している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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