ロサンゼルス発--Microsoftは米国時間13日、Windows Vistaのグラフィックス性能向上への取り組みの一環として、キヤノンと提携したことを発表した。両社は、新OSに搭載する全く新しいカラーマネージメントシステムを開発していく。
この「Windows Color System」は、画面上に表示される画像に近いデジタル写真プリントの作成に重点を置いて設計される。
MicrosoftのグループプロダクトマネジャーJosh Weisbergは、「画面上のイメージとプリンタのイメージが一致しないという根本的な問題については、これまでもその解決に向けて何度か進展があった。ただし、これらの進展は専門家や上級ユーザーには役立ったものの、そのほかのユーザーにはあまり役立たなかった」と説明した。
新しいカラーシステムは、MicrosoftがVistaに加える複数の変更の一部で、Windowsのグラフィックス表示機能の改善を目的として設計されている。Vistaでの強化点としては、ほかにも「Windows Presentation Foundation」に名称を変更したグラフィックエンジン「Avalon」やプリントエンジンの「Metro」などがある。
「Vistaでの最大の焦点は、同OSを画像処理やプレゼンテーション、グラフィックス作業用として最高のプラットフォームにすることだ」(Weisberg)
Microsoftは、デジタル写真分野に重点を置いており、すでにハイエンドのデジタルカメラが採用する非圧縮RAWファイルのサポート計画を発表している。また、Weisbergによると, カラーシステム以外にも発表があるという。
「徐々にパズルのピースがそろっていくだろう。これを非常に優れたプラットフォームにするためのピースは、今後さらにいくつも出てくる」(Weisberg)
Microsoftは、グラフィックス機能の改善に努めると同時に、既存のPC--特に最上位モデルと同等の性能を持たない企業内のマシンを時代遅れにすることも避けようとしている。
このために、同社は最新のコンピュータではVistaのグラフィックス機能をすべて活用できるようにする一方、一部の古いマシンではWindows XPやWindows 2000と外観を近づけるなど、段階別のアプローチを採用している。
Windowsの主任プロダクトマネジャーGreg Sullivanは、当地で開催中のProfessional Developers Conference開幕前日の12日に行ったプレゼンテーションのなかで、「セキュリティやパフォーマンスなどの強化点を、すべてのユーザーに活用してもらいたい」と語った。
Microsoftは当初、多くのマシンにはVistaの透過ウインドウや手の込んだアニメーションを表示するのに必要な性能がないのでは、と危惧していた。しかし、MicrosoftがVistaの市場投入に手間取ったため、より多くのユーザーがVistaに搭載されるすべての機能を利用できるようになるだろうと、Sullivanは述べている。
「現在出荷されている大半のPCは、最も要求の高いグラフィックスでもサポートできる」(Sullivan)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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