新たに「Windows Vista」と命名された次期Windows「Longhorn」は、登場が予定より遅れており、当初計画されていた機能が全部はそろわないのかもしれない。だが、Window開発の責任者であるJim Allchinは、「これは重要な意味を持つ製品だ」と主張している。
同OSには、セキュリティの改善、見栄えのする新しいグラフィックス、そして新しい検索機能や情報整理機能などが盛り込まれる。それにより、ユーザーはたとえば、保存先のフォルダを覚えておかなくても、仮想フォルダを複数用意し、そこに書類を置いておけるようになる。さらに、「先週編集したファイル」や「Janeから受け取った書類」といったように自動更新されるフォルダを用意することも可能になる。
Microsoftはまた、ホームネットワークへのPCの追加や、プロジェクタへのノートPCの接続など、ほかにも多数の作業を簡略化しようとしている。
Windows Vistaはいつ発売されるのか?
Microsoftは、Vistaの発売を2006年の年末商戦に間に合わせると約束している。一方、ベータ版のリリースは来月3日に予定されている。またサーババージョンは2007年に登場すると見られている。
Vistaに含まれる具体的な機能は?
これまでLonghornと呼ばれてきたVistaは、Microsoftが初めて初期バージョンのデモを行った2003年から大きく進化している。同社は、全く新しい「WinFS」ファイルシステムを搭載する計画をあきらめ、「Indigo」と呼ばれる新しいWebサービスアーキテクチャや、「Avalon」と呼ばれる新しいグラフィックエンジンの実装方法も見直している。
いまのところ、Vistaの重要な機能としては、セキュリティの強化、新しい検索メカニズム、ノートPC向けに考えられた各種の新機能、ペアレンタルルコントロール、そしてホームネットワーキング機能の改善などがある。さらに、派手なトランスルーセントのウインドウや、ドキュメントの内容を縮小表示するアイコンなど、Avalonのおかげで外観にも変更がある。Microsoftによると、Vistaでは企業による複数のPCへの導入が容易になるほか、コンピュータを再起動する回数が減ることで、コスト削減にもつながるという。
そのほかの特徴は?
Microsoftが正式に認めている機能としては、ほかにもIPv6の本格サポート、サーバに保存されたデータをクライアント側にキャッシングする機能の改善、ボリューム全体の暗号化、同期エンジンの刷新、ノートPCでの外付けディスプレイのサポート、ハードディスクの自動最適化、PCを紛失したり盗難に遭った場合にデータへのアクセスを防ぐブートアップ・プロセスのセキュリティ確保などがある。さらに、まだ明らかにされていない機能もたくさんあるものと思われる。
すべてが確定しているのか?
MicrosoftのAllchinは、Vistaをスケジュール通り発売することのほうが、すべての機能を搭載することよりも優先順位が高いと以前に述べたことがある。このことから、もし何らかの問題に突き当たった場合に、一部の機能が切り捨てられる可能性もある。
Vistaの動作環境は?
MicrosoftのAllchinは、4月に行われたインタビューのなかで、Vistaを動かすには512Mバイトのメモリと「現行レベル」のプロセッサが必要になるだろうと述べていた。見栄えのする新しいグラフィック機能をすべて引き出すせるかどうかは、PCに搭載されるグラフィックカードの性能で決まってくる。一部の古いマシンでは、現在のWindowsと似たグラフィックスになる。
現在のWindowsと同じように、「Home」「Professional」「Tablet」「Media Center」という4つのエディションが用意されるのか?
Allchinは、Microsoftが間もなくそれに関する決定を下すと述べたが、しかし具体的な点は明らかにしなかった。
価格はいくらになるのか?
それもまだ決まっていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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