マサチューセッツ州ボストン発--とっつきにくそうな名前ではあるが、サービス指向アーキテクチャ(Service Oriented Architecture:SOA)は知っておいて損はない技術だと、SAPのCEOであるHenning Kagermannが述べた。
Kagermannは米国時間18日、SAPが当地で開催している顧客向けカンファレンス「SAPPHIRE」で基調講演を行った。Kagermannによれば、ビジネスにとってSOAとは、企業の中核的な活動を自動化し、特定のニーズを満たすためのアプリケーションを開発するすぐれた方法であるという。
講演では、SAPが先ごろ拡大したパートナープログラムについても説明があった。MicrosoftやIBM、Cisco Systems、Symantecといった大手テクノロジー企業は、このプログラムを通して、SAPの「Enterprise Service Architecture(ESA)」の技術情報を 入手することができる。これは同時に、SAPを中心とする「ビジネスプロセスプラットフォーム」を助成することにもなるという。サードパーティのソフトウェアプロバイダーは、同プラットフォーム上で、アドオンや特別仕様版の開発が可能になっている。
「こうしたプラットフォームのおかげで、わたしたちの業界もようやく成熟しようとしている。今後は、ビジネスプロセスプラットフォームを中心にシステムが構築されるようになるだろう。ビジネスプロセスプラットフォームは、期待に十分こたえられるレベルのインテグレーションを実現し、そのほかの(技術的な)行き詰まりも解消してくれる」(Kagermann)
SAPのESAに対する取り組みのねらいは、企業幹部に、ITシステムはコスト増と複雑化の元凶ではなく、パートナーおよび顧客との間に新たなビジネスチャンスを創出するものだとアピールすることにある。
「わたしたちがこれまでやってきたのは、ビジネス環境において成功するようにはデザインされていないシステムを、何とかつぎはぎして利用することだった」と、Kagermannは述べている。
SAPは2005年末までに、同社の全製品を、ビジネスプロセスプラットフォーム計画で中心的役割を果たす「NetWeaver」インフラストラクチャソフトウェアと連携させる予定だ。こうして、2007年までには、SAPの全製品ラインに拡張が施されることになる。
基調講演の中で、SAPはHome Depotとのパートナーシップに関しても言及した。大手小売企業Home Depotは、SAPとパートナーシップを結ぶことで、2000店に及ぶ小売店舗での諸業務を自動化しようと考えている。Home DepotのCIOであるBob DeRodesは、ほかのSAP顧客とともにKagermannが講演を行う舞台に立ち、両社の協力関係が、販売業務やサプライチェーン運営の合理化にいかに貢献するかを発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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