Liquid Computingという新興企業が、ベンチャーキャピタルから1400万ドルの資金を調達した。同社ではこの資金を利用し、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサを搭載し、オペレーティングシステム(OS)としてLinuxが動作する柔軟なサーバを設計するとしている。
Liquid Computingは、もともと通信機器やメインストリームのサーバを開発していた。同社CEOのBrian Hurleyによると、同社はまず研究者など高性能なコンピュータを必要とする顧客に向けて、2006年からサーバを販売したいと考えており、また後にはその設計上の柔軟性と拡張性が一般の企業顧客にも訴求するようになると考えているという。
Liquid Computingは今回、VenGrowth、Capital Partners、ATA Ventures、Export Development Canada、Business Development Bank of Canada、Axis Capitalがつくるコンソーシアムから、シリーズAの資金調達を行ったことを発表した。
「STL-20×4」と呼ばれる同社の製品は、高さ36.75インチ(約93センチ)で、標準サイズのラックに比べて半分の高さしか必要としない。このシステムの中心には、演算モジュールと呼ばれる20枚の電子基板があり、これが共通のコミュニケーションチャンネルに差し込まれている。
Hurleyによると、各モジュールには、4基のデュアルコアOpteronプロセッサが搭載される。同プロセッサは、2004年にSun Microsystemsが買収した新興企業Kealiaや、2004年にCrayが買収したOctigaBayでもシステムの心臓部に使用されていた。
STL-20×4は、この4チップ搭載モジュールを連結して大規模なマルチプロセッササーバを構築することが可能な一方で、各モジュールに別々に使用し、小規模なタスクを割り当てて同時に処理させることもできる。この設計により、新しいリソースを負荷の大きなアプリケーションに割り当てながら、同時にハードウェア障害を回避することが可能になると、同社では説明している。
また、16基のプロセッサを搭載するシステムは、10ギガビットのイーサネット・ネットワークアダプターを装備した通常4プロセッサ搭載サーバ4台分に相当する価格になると、Hurleyは述べている。
さらに、複数のシステムを光ファイバー通信回線で連結することで、さらに大規模なシステムを実現できるとHurleyは言う。同社は「STL-80×4」という4サーバ構成で最大320基のOpteronを搭載するマシンを構築したいと考えている。同様に、最大960基のOpteron搭載マシン「STL-240×4」を開発する構想もある。
Hurleyによると、この設計は「4基から何千基まで、プロセッサの数を無制限に」拡張できるという。この拡張性は、プロセッサ間での遅延が少ないために可能となっている。光ファイバー接続時の遅延は2マイクロ秒未満で、個別の筐体内ではさらに短くなるとHurleyは述べる。
このシステムは、x86プロセッサ向けに書かれたごく普通のソフトウェアを修正を加えずに利用できる。また初期の設計ではOpteronを採用するが、Xeonの搭載も難しくないとHurleyは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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