「C++の重要性は高まっている」:同言語の生みの親が主張

 英国オックスフォード発--プログラミング言語C++の生みの親である人物によると、一部の開発者らがJavaやC#などの、C++より後に生まれたプログラミング言語に見切りをつけ、再びC++を使用するようになっているという。

 テキサスA&M大学の教授で、C++言語の開発者でもあるBjarne Stroustrupは米国時間20日、当地で開催されたACCUカンファレンスでインタビューに応じ、C++がJavaやC#といった比較的新しいプログラミング言語に取って代わられようとしているという認識は誤りであると指摘した。

 「C++の重要性は現在、かつてないほど高まっている。300万人以上ものプログラマが現在、C++を利用している。C++を採用するプロジェクトは日ごとに増えており、同様の傾向がいたるところで見受けられるようになった。大学でもこれまではJavaに関する授業が多かったが、今ではより多くの時間が再びC++の講義に割かれるようになっている。揺り戻しが起こっていると言える」(Stroustrup)

 こうした傾向があるにも関わらず人々がこれに気付いていないのは、C++が「キャンペーン攻勢」をかけていないからだと、Stroustrupは主張している。例えばSun Microsystemsは、火星探査計画にJavaが使用されたことを大々的に宣伝してきた。もっともStroustrupは、C++も同計画で利用されていると指摘する。C++は、火星探査車の自動走行システムにおいて、情景分析と走行ルートプランニングのために用いられているという。

 一方、開発者に対し定期的な調査を行っているEvans Dataの調査結果は、C++が再び勢いを盛り返しているというStroustrupの主張と矛盾する。Evans Dataの調べでは、C++を利用している開発者の割合は過去6年間にわたって縮小を続けており、1998年春に76%だったものが、2004年秋には46%へと落ち込んでいることが判明した。だが今後数年間は、C++利用率の減少が「大幅に鈍化する」だろうと、Evans Dataは予測している。

 Evans DataのCEOであるJanel Garvinは、ここ数年間でJavaの利用率も若干落ちていると話す。「北米におけるJavaの利用率は持続的に上昇し、2001年もしくは2002年に最大となった。それ以来、Javaの利用率はやや減少傾向にある。しかし、それでもJavaの優位性は変わらない」(Garvin)

 Forrester ResearchのアナリストJohn Rymerは、Stroustrupが約300万人と見積もったC++開発者の数は「妥当なもの」と述べる。同社の最新調査からは、多くの企業がC++やMicrosoftのVisual Basic、Javaを生産システムで利用していることが明らかになった。100社以上を対象に行われた同調査では、全対象企業の生産システムでC/C++が利用されている割合は59%であることが判明している。同様に、Visual Basicの利用率は61%、Javaの利用率は66%という結果が出ている。

 また、RedMonkのアナリストJames Governorは、Javaや、Visual BasicおよびC#といったMicrosoftのプログラミング言語が現在の主流だとするのは間違いだと話している。

 「JavaとMicrosoft系言語、これら2つだけが広く利用されているという考えはナンセンスだ。C++は今も相当の役割を果たしており、PHPやPythonなどのスクリプト言語の重要性も縮小しているどころか、増大している」(Governor)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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