いまのところ、XML文書の内部に含まれる情報は、氏名や住所をはじめ、すべてがテキストで記されている。それに対し、バイナリフォーマットではXMLデータのサイズが圧縮されるが、しかし特定のプログラムを使わないと情報を読めなくなってしまう。そのため、いくつかの企業ではすでにバイナリフォーマットをつくり、異なる稼働環境や業界での利用に対応させている。
たとえば、Expwayでは携帯電話業界やテレビ放送業界向けに、XMLデータをバイナリフォーマットで保存する方法を開発している。
これらの業界では、テキストで記されたXMLファイルはかさばるために利用に適しておらず、その結果XMLが幅広く使われるようにはなっていないと、Expwayの研究者でW3C Working Group on Binary Characterizationの議長を務めるBerjonはいう。セットトップボックスのような特定の機器にデータを送るにはXMLの高速化が欠かせないが、これは番組表や他の情報の転送が遅いと、消費者がそれに耐えられないからだという。
同様に、移動通信の分野でもかさばらないXMLファイルを求めるニーズが高まってきているという。
携帯端末は、ますます強力なプロセッサを搭載するようになっており、それに伴って処理できるデータの量も増えている。しかし、バッテリの性能向上のペースがプロセッサのそれに付いていけていないために、こうしたデータをそのまま処理していては、すぐにバッテリ切れになってしまうと、AgileDeltaのCTOであるJohn Schneiderは言う。同社はさまざまな機器向けに、XMLデータを圧縮して効率良く扱えるようにするソフトウェアを開発している。
しかしWebサービスというXMLベースのプロトコルを利用することで、携帯通信事業者は、現在よりもたくさんの情報をインタラクティブな形で提供することが可能になり、ゲームやカレンダなどを求める消費者のニーズに応えるのにも役立つと、Schneiderは言う。
「魅力的なアプリケーションは大きな差別化要因になる。こうしたアプリケーションには、たくさんの付加価値がある--つまり、利用者が増えれば増えるほど、その情報は価値が増すのだ」(Schneider)
一方で、Sun Microsystemsも「Fast InfoSet」という独自のプロジェクトを立ち上げている。Fast InfoSetをつかえば、XMLアプリケーションの実行速度を、2〜10倍高速にできると同社は説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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