マイクロソフトは2005年後半、Windowsのプリインストール機のユーザーで製品IDをウェブ経由で登録しないユーザーにWindows Update機能を提供しない予定があることを明らかにした。セキュリティパッチなど重要な更新についてはOSの自動更新を可能なままにするが、自動更新の対象とならないモジュールをアップデートできなくする予定がある。
Windows Updateの停止は、Windows Genuine Advantage(WGA)プログラムと呼ぶ正規ユーザーの認証方式のロードマップ上にある。マイクロソフトは3月15日にWGAプログラムを開始し、正規ユーザーに対して各種ユーティリティソフトを無償でダウンロードさせる試験運用を始めた。同社のサイト内にあるソフトウェアのダウンロードページにアクセスすると、正規ユーザーの認証機能を持つActiveXコントロールをインストールするかどうかを選べる仕組みだ。
マイクロソフト Windows本部 コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャの菅伸吾氏 |
実際に正規ユーザーがWGAプログラムに参加する方法は以下の通りである。まずは、ダウンロードセンターから何らかのソフトをダウンロードしようとすると、ActiveXコントロールの自動インストールを促される。この後、OEM版のプリインストール機を使う一般的な企業ユーザーは、最初に1度だけ、25文字で構成するプロダクトIDをウェブブラウザから入力する必要がある。この行程はパッケージ版のユーザーでは必要がない。
3月15日時点では、正規ユーザーの認証を受けると、以下の3種類のアプリケーションを無償でダウンロードして利用できるようになる。(1)写真管理ソフトの「Photo Story 3 for Windows」、(2)文書管理ソフト「Office OneNote 2003」を180日間限定で使える評価版、(3)LZH形式のアーカイブファイルの中身を閲覧する「圧縮(LZH)フォルダ」の3本である。Office OneNote 2003の評価版は、通常は60日間の限定だが、WGAプログラム経由では180日間に伸びる。
WGAプログラムの導入の目的について、マイクロソフトWindows本部コンシューマWindows製品部シニアプロダクトマネージャの菅伸吾氏は「正規ユーザーへの特典である」と繰り返して説明。WGAプログラムは2004年9月の米国を皮切りに、2005年1月にはワールドワイドで実施することが決定。日本法人はこれまで「必要を感じない」という理由からWGAプログラムの導入を見送ってきたが、ワールドワイドの決定を受けて参入したかたちと見られる。WGAプログラムによるユーザーのメリットは今のところ特典ソフトだけであり、マイクロソフトのメリットも見えにくい。
3月15日以降、ユーザーやパソコンベンダーの声を聞き、今後のWGAプログラムの適用方法に反映させる。プロダクトIDの入力が面倒であるなど市場の評判が悪い場合は、2005年後半に予定するWindows Updateの停止案件といった今後のロードマップを市場の要求に合わせて変更していくとしている。
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