市場調査会社IDCは米国時間15日、Linux OSが動作する新品および中古を合わせたPCの売上高が2008年までに100億ドルに達するとの予測を示した。
IDCの調査によると、同年には約1700万台のLinux PCが販売される見込みで、インストールベースは合計4260万台になるという。そして、この時点でもLinux搭載PCの数はWindowsの数を大きく下回っている可能性が高いものの、2003年に3%だった新品/中古のLinux PCのシェアは2008年には7%まで増加すると、IDCでは強気の予想を立てている。
IT業界では、Microsoftを除く各社がデスクトップPCやノートPCへのLinux搭載を熱心に進めている。Red Hat、Novell、Sun Microsystems、Adobe Systems、Hewlett-Packard(HP)、IBM、そしてIntelなどの各社がLinux PCに取り組んでいる。
今回発表された予想は、Linux全体を対象にIDCが実施した調査に基づいたもので、PCやサーバ、およびこれらのコンピュータ上で動作するパッケージソフトウェアのすべてを対象にしたもの。IDCのアナリストAl Gillenは、データを集めたのはIDCだが、IT主要各社が参加するOpen Source Development Labs(OSDL)というLinux関連の業界団体が、データの集計と調査のとりまとめ用としてIDCに資金を提供している、と語っている。
OSDLも15日、Microsoftの「Get the Facts(事実を知ろう)」キャンペーンの対抗策としてこの記事を公表した。Microsoftでは自社の主張を裏付けるべく資金を提供して調査を実施させているほか、Linuxを排除してWindowsを売り込むための広告も展開している。
IDCの調査では、Linux市場は全体で年間25.9%成長し、2008年には357億ドルに達すると予想されており、内訳はパッケージソフトウェアが140億ドル、PCが100億ドル、そしてサーバは110億ドルの売上規模になるという。
IDCの予想によると、Linux PCに関しては、アメリカ地域のマーケットシェアは平均以下となり、欧州、中東、アフリカを合わせた地域と、アジア太平洋地域の2カ所では平均以上になる可能性が高いという。2008年におけるLinux PCの出荷台数は、アメリカ地域では4%未満で、ほかの2地域では9%以上を占める見通し。
IDCは先ごろ、Linuxサーバ市場は2008に91億ドルに達するとの予想を発表していたが、このときの数字は、新たに出てきた調査結果の110億ドルを下回る。これはIDCがやや異なる方法で金額を計算したためだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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