情報処理推進機構(IPA)は、教育現場におけるオープンソースソフトウェアベースのデスクトップ環境の実用性を探る実証実験2件の実施を決定した。IPAが11月2日に明らかにしたもの。1件は、三菱総合研究所を代表とする企業グループが行うもので、小中学校8校に合計275台のデスクトップLinux PCを導入し、評価する。もう1件は、アルファシステムズの実験で、高校/大学を中心とする8校にCD-ROMベースのLinuxによるIT教育システムを導入し、有効性を調べる。
IPAは、「オープンソースソフトウェアの業務への適用は、サーバ用途に関しては順調に普及してきているが、デスクトップ用途はまだ不十分」と述べる。デスクトップへの導入に対する障害のうち、技術的な側面は改善が進んでいるという。ただし、「システムの導入、維持/管理、利用サポートといった運用面での総費用の低減、ノウハウの蓄積、サポート要員の教育などの問題解決が重要であることが明らかになってきた」(IPA)。
IPAは、問題解決には具体的な応用事例を示すことと、実際に一定規模のオープンソースデスクトップを導入/運用し、そのサポート手法の開発やサポート体制のモデルを示すことが有用であると考え、実証実験を公募。「導入の進めやすさと成果の波及効果を考慮し、実証実験の場として学校を選び」(IPA)、今回2件の実施を決めた。
三菱総合研究所が代表を務める実験では、茨城県つくば市と岐阜県の小中学校8校の教員25人、児童/生徒2240人を対象に、275台のデスクトップLinux搭載PCを提供する。授業などで使い、各種コンテンツ再生や教育用ソフトウェアのLinuxでの利用を実現する。さらに、多数のPCを最新状態に毎晩自動更新するなど、管理負荷を軽減する試みも行う。
この実験に参加する企業は、以下の通り。
一方、アルファシステムズは、各地の小学校/高校/大学8校の児童/生徒/学生約1000人にCD-ROMブート対応のLinux OSであるKNOPPIXを提供し、既存システムの有効利用や、新教育システム導入の可能性を確かめる。同OSを使用すると、以下のメリットが得られるという。
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