Macを使って構築したものとしては最速を誇るスパコンが、Power MacからXserveへの切り替えにより、さらに高速化した。
バージニア工科大は米国時間26日に、System Xというこのシステムが1秒間に12.25テラフロップ(12兆2500億回)の計算処理速度で動くようになったことを発表する。1100台のPower Mac G5を使用していたオリジナルのシステムでは、計算処理速度は10.28テラフロップだった。この高速化の大きな理由は、Apple Computerが同大学に対して、カスタムメイドの2.3GHz Xserveを提供したことにある。このチップは市販の同製品に搭載されている2GHzのものよりも高速だ。同大学はまた、新たに50台のサーバ(もしくはノード)を同システムに追加している。
Appleは先週、この2.3GHzバージョンの製品はバージニア工科大のために特別に用意したものだとし、これを近々一般向けに発売するような計画はないと述べていた。
「新しいSystem Xでは、オリジナルのシステムよりも2テラプロップ近く性能が向上している。われわれはAppleの新しいマシンを使ってこの性能を実現できたことに極めて満足している」と、同大学機械工学部長のHassan Arefは声明のなかで述べている。
バージニア工科大は、11月に予定されている世界最速スーパーコンピュータのランキング発表に先だって、システムの性能を事前に発表する2番めの組織にあたる。同大学よりも先に発表を行ったのはIBMで、同社は先月Blue Gene/Lコンピュータの処理能力がNECの地球シミュレータを上回ったことを明らかにしていた。なお、NECのマシンは2002年以来同ランキングで首位の座を守ってきているものだ。
System Xが高速化したのは間違いないが、この新しいシステムが同ランキングで何位に入るかは明らかでない。これは来月開かれるスーパーコンピュータカンファレンスで同ランキングが公表されるまでに、多数の競合システムが新たに登場すると見られているためだ。
「バージニア工科大は、11月にピッツバーグで開かれるSuperComputing 2004で最新のスパコンランキングが発表される際に、この新システムの順位を知ることになるだろう」と、この設計を率いたSrinidhi Varadarajanは声明のなかで述べている。「かなりいいところまでいくと期待している」(Varadarajan)
1100台のPower Mac G5を使って構築されたオリジナルのSystem Xは、昨年11月のランキングでは初登場で第3位につけた。しかし、同大学がXserveサーバをつかったシステムへのアップグレードを検討していたため、今年6月のランキングにはランクインしなかった。
同大学は、このシステムの再構築と新たなノードの追加に約60万ドルの費用をかけたという。なお、オリジナルのSystem Xのコストは520万ドルだった。ちなみにAppleはこれとよく似たシステムを米陸軍に納入している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス