マクロメディアは、10月22日に渋谷セルリアンタワー東急ホテルで「Macromedia Flash Conference 2004 - Breakthroughs」を開催した。会場では基調講演や特別セッションが行われたほか、プレス向けのラウンドテーブルではMacromedia エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフソフトウェアアーキテクトを務めるケビン・リンチ氏が登壇。新Flashプラットフォーム戦略の全貌と今後の展開を語った。
Macromediaエグゼクティブバイスプレジデントのケビン・リンチ氏 |
同氏はラウンドテーブルの中で、Nikeのサイトで使われているバスケットボールシューズのデザインフォーム、ノースカロライナ大学でドクター向けに開発されたナビゲーションなどを実際に操作しながら、Flashを解説した。まず、Flashのインターフェースが持つ、HTMLよりもはるかに優れた機能として、フィードバックやレスポンスの良さを挙げている。これは、ショッピングサイトなどに多く利用されており、ユーザーが必要に応じて商品の色やデザインを変更できるというものだ。確かに、迅速なフィードバックは、サービスの提供側だけでなくユーザーにとっても関心の高い分野といえる。
また、同氏は表現力の高いコンテンツによりインターネットの分野でFlashが成功を遂げてきた点や、相互関係を伴う複雑なデータをナビゲートすることによって内容の理解を深められるという点も解説。さらに、さまざまな企業がFlashのテクノロジーを使ってコミュニケーションを行っていることも紹介した。
さらに、Flashプレイヤーの入手やダウンロード、インストールを容易かつ迅速に行えることにも触れ、同社の調査によれば「Flashプレイヤーの普及率は、98年6月の発表から12カ月間で80%という驚異的な数値を達成した」と語った。Flashは1996年当時のアニメーションの世界から、2004年にはアプリケーションの世界へと進化を遂げてきた。さまざまなクリエイターたちがインタラクティブなコンテンツ制作を行う一方で、アプリケーションインターフェースの開発も着実に進んでいるという。同氏は「Flashプレイヤーの普及率はいまや全バージョン合わせて98%に達しており、サイトからは毎日200万件のインストールが行われている」と語った。
Flashの目標は「最も効果的なユーザーインターフェースプレイヤーであること」「最もコンテンツの表現力が高いメディアであること」「柔軟性の高いコミュニケーションのネットポイントであること」の3点を複合的に達成することにあるという。
日本におけるFlashの現状を語るマクロメディア代表取締役の井上基氏 |
マクロメディア代表取締役の井上基氏は、日本おける現状とFlashの今後について「日本はブロードバンド普及率で世界でも有数の国になり、デジタルコンテンツにおいては先進といってもいいだろう。そんな中で問題とされているのは、インターネットをいかに使いやすくするかということだ。もっと使いやすくするのか、もっと簡単にできないのか、もっと表現力を豊かできないか、という部分が問題になっているのではないだろうか。政府でもJIS規格を新たに設けるなどの動きがあるように、高齢な方への配慮も忘れてはならない。そんな中、Flashという技術はさまざまな可能性がある社会的インフラとして定着してきている。普及の一途をたどっているFlashを使って、新しい提案をしていきたい」と語ってくれた。
今回の「Macromedia Flash Conference 2004 - Breakthroughs」は新しい製品であるというだけでなく、この製品を使ってユーザーが新しいことに取り組めるようにする機会を設けられる製品という位置づけのようだ。今回の発表にかける意気込みから、マクロメディアの次期Flashプレイヤー「8 Ball」も期待できそうだ。
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