Microsoftは19日(米国時間)に、企業向けインスタントメッセージ(IM)ソフトに新たな機能拡張を加えたことを発表する。今回のアップデートでは、同社のメールソフトOutlookの機能の一部がIMクライアントに組み込まれている。
新しい企業向けIMクライアント「Istanbul」(開発コード名)は、現行のWindows XPにあるWindows Messengerに似たソフトウェアだが、ユーザーのIM情報をOutlookのカレンダやスケジュール情報と同期できる点が異なる。Istanbulはさらに、普通の電話機とつなげば電話がかかってきた際にそれを通知する。また、かかってきた電話を携帯電話や留守番電話に転送することも可能だ。
Istanbulは、Microsoftの「Live Communications Server(LCS)2005」に含まれる機能の1つだ。LCSはもともと、企業が従業員に安全なIMサービスを提供する方法として発売されたサーバソフトである。
MicrosoftはIstanbulで、OutlookやMicrosoft Officeなどの人気製品にIMの「プレゼンス」を統合する戦略を一歩進めている。この「プレゼンス」技術は、人々が音声通話などの通信を電話や好きなインターネット機器とつなげるようにするもの。この技術を使えば、相手がオフラインの時にも連絡が取れるかどうかなどがわかる。さらに、LCSを使ったインターネット経由の音声通話アプリケーションや、他の人々とライブミーティングを行なえる機能なども実現される。
「物理的な距離の隔たりを越え、チームが協力し合えるようにすることが目的だ」とMicrosoftのEd Simnett(リアルタイム・コラボレーション担当主任プロジェクトマネージャー)は述べている。
Istanbulの新機能は、企業がLCS 2005とExchangeサーバをインストールした場合にのみ利用可能だ、とSimnettは付け加えた。同氏によると、LCS 2005は現在ベータ版が提供されているが、最終製品版は年内に発売されるという。
Istanbulにはこの他に、Yahoo MessengerやMSN Messenger、America Online(AOL)のInstant Messengerの友だちリストへのリンク機能も含まれている。YahooとMicrosoft、AOLの3社は、各IMクライアントをLCSにリンクさせることを認める契約を結んだ。しかし3社のサービスはまだ相互乗り入れができず、各サービス間での通信はできない状態にある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス