台湾のチップメーカー、Via Technologiesが、Advanced Micro Devices(AMD)やIntelに続いて、両社の製品と互換性のある独自の64ビットx86プロセッサの開発に取り組んでいる。
Viaは5日(米国時間)、カリフォルニア州サンノゼで開催されているFall Processor Forum(FPF) の中で、一般には「Isaiah」というコード名で知られ、同社内部ではCNと呼ばれているチップの詳細を発表したが、ただし発売日は明らかにしなかった。Via傘下のプロセッサ開発メーカー、Centaur TechnologyのGlenn Henry社長は、「CNはAMD、Intel両社の64ビットアーキテクチャの改良型に基づいて設計されている」と語った。
Henryによると、同チップは特に映像/音声情報を処理する際にAMD、Intel両社のチップに比べ、はるかに高い性能を発揮するという。しかし、Viaが重視する低コスト、小型、省エネの3要素は失っていない。
64ビットサポートに躍起になっている省エネチップメーカーはViaだけではない。Transmetaの最高技術責任者(CTO)、David DitzelはFPFで、同社も64ビットのサポートに取り組んでいることを明らかにした。
32ビットチップでは扱えるメモリの容量が4Gバイトに制限されていたが、64ビット機能をサポートすることで、この制限がなくなる。もっともこれは、現在の主流デスクトップアプリケーションにとっては特に問題にはならない。現在、Linuxは64ビットx86チップに対応しており、Sun MicrosystemsのSolaris 10も2004年末までにそれらのチップをサポートする。またWindowsも2005年に64ビットx86チップをサポートすると見られている。
Insight 64のアナリスト、Nathan Brookwoodによると、ViaのEdenのようなチップを搭載した小型のローエンドシステムで早期に64ビット機能が必要になるとは考えにくいという。
「8Gバイトのメインメモリを備えたEden搭載システムなど想像できない」とBrookwoodは語る。しかし同氏は、「もし新たなシステムを設計しているのであれば、是非とも64ビットに対応させるべきだ」と付け加えた。
Henryによると、ViaはC5Jと呼ばれる前作のプロセッサで64ビットのサポートを検討していたという。「確かにサポートの追加は可能だが、それではその場しのぎにしかならない、と我々は考えた。64ビットのサポートを行うのであれば、しっかり取り組もうという結論に至り、現在我々はその方針を実行している」(Henry)
Intelのx86チップの名前は、同社の80286/80386/80486チップに由来する。x86チップシリーズに対応するソフト数は膨大な数に上る。その人気の高さ故に、多くの競合他社が出現したが、大半の企業は市場を独占するIntelからほとんどシェアを奪えていないのが実情だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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