米Advanced Micro Devices(AMD)が今週、デュアルコアチップを公開する。同チップは来年中頃から徐々に発売される予定。
AMDは米国時間31日、テキサス州オースティンの施設で、同社のデュアルコアOpteronチップを4基搭載したHewlett-Packard製ProLiantサーバを披露する。デュアルコアOpteron チップを4基使用することにより、4プロセッササーバの機能性を8プロセッササーバ並みに引き上げる。
「Microsoft(Server 2003)をロードすると、8プロセッサと表示される」と語るのは、AMDのバイスプレジデント兼マイクロプロセッサ事業部門のジェネラルマネジャーMarty Seyerだ。
同チップは6月にテープアウト(半導体業界の専門用語で設計が完了したことを意味する)しており、AMDは先ごろ、オースティンで披露するためのサンプルを製造した、とSeyerは付け加えた。
AMDが31日に同チップを発表する背景には、その1週間後にIntel Developer Forumが開催されるという事情がある。同イベントでAMD の最大のライバルであるIntelは、サーバ/デスクトップ向けのデュアルコアItanium/Xeon/Pentiumプロセッサについて話し、それらのチップのうち、少なくとも1つの実演を予定している。
エネルギーを節約しつつ高い処理性能を実現するデュアルコアチップをAMDとIntelのどちらが先に発売するかを見極めるのは、現時点では難しい。Intelは来年の中頃にデュアルコアItaniumを発売し、下半期にデスクトップ用を発売すると発表しているが、AMDの発売スケジュールもIntelとほとんど同じだ。両社とも先ごろ、プロジェクトの遅延を余儀なくされており、現在設定されている期限も変更される可能性が高い。
Intelは今年5月にデスクトップ用デュアルコアチップの発売予定日を発表したが、AMDもかねてからデュアルコアチップの発売に向け準備を進めていると述べ、Intelに対抗した(なお、IBMはすでにデュアルコアチップを販売している)。
AMDがこの早い段階でのデュアルコアチップの実演を行うということは、同社のエンジニアリング/設計技術が向上していることを意味する。AMDは31年以上ライバル関係にあるIntelと比べて大きく遅れを取っているものの、過去2年間は数多くの設計革新を実現し、Intelを凌駕してきた。
Opteronは64ビットと32ビットの両方のプログラムを同時に動かすことができる初めてのx86系チップだ。Intelはこのアイデアを軽視していたが、今年初めに急きょ、独自の32/64ビットチップを発表した。
またAMDはOpteronで、HyperTransportと呼ばれる高速なチップ間接続技術を導入した。HyperTransport技術はすでに多くのメーカーに採用されている。HyperTransport(現在の名称はDirect Connect)は、異なるチップをサーバまたはグラフィックカードなどの周辺機器に接続したり、チップ同士をつないだりする役割を果たす。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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