Microsoftは、次期バージョンのWindowsオペレーティングシステム(OS)を2006年末までに出荷するべく、同OSの開発計画を練り直している。
同社は27日(米国時間)、Windows XPの後継OSとなる「Longhorn」の新たなロードマップを発表した。同社はLonghornのテストバージョンを来年中に出荷し、またデスクトップおよびノートPC向けの完成版を2006年末までにリリースするために、一部の機能を削除するなどの変更点を明らかにした。なおサーババージョンのリリースは2007年に予定されている。
「この(2006年末という)締め切りに間に合わせるためには、機能を一部簡素化して、後回しにせねばならなかった。Windowsのストレージ機能に関する開発作業も、後回しにすることになったものの1つだ」と、MicrosoftのWindows開発担当バイスプレジデント、Jim AllchinはCNET News.comとのインタビューで語った。「迅速なデータ検索機能の開発は、当初の計画通り進めている」(Allchin)
Microsoftの経営陣は、LonghornをWindowsの大型改訂版と位置づけており、特定の出荷日に間に合わせようとして、無理なスケジュールを組むことはないと強調していた。しかし、リリースが2007年以降にずれ込むおそれが出てきたことから、Microsoftは計画を扱いやすい規模まで縮小する必要がある、とアナリストらは主張していた。
Microsoftは2001年10月にWindows XPをリリースして以来、Tablet PCやMedia Center Editionなど同OSの特別バージョンは出荷したものの、デスクトップOSのまったく新しいバージョンは1度もリリースしていない。同社では、今月に入って完成したWindows XP Service Pack 2(SP2)セキュリティアップデートの開発に、Windows開発チームの大半がかり出されていたため、Longhornの開発要員が不足気味になるという問題に直面していた。
Longhornに関する当初の計画では、「WinFS」という新しいファイルシステム、新グラフィックス/プレゼンテーションエンジンの「Avalon」、そしてWebサービス/通信アーキテクチャの「Indigo」という3つの重要な技術が実現されることになっていた。
しかし、Mirosoftは今回この3つの柱すべてについて計画を変更している。デスクトップおよびノートPC用のLonghornがリリースされる時点では、WinFSはベータ版で登場する。またAvalonとIndigoはLonghornにも含まれるが、これとは別にWindows XPとWindows Server 2003向けにもリリースされることになった。
Microsoftは、AvalonとIndigoを古いマシンでも動かせるようにすることで、より多くの開発者がこれらの新しい技術を利用したソフトウェアを書きたいと考えるようになることを望んでいる。仮に、これらの技術がLonghornにしか搭載されないとなると、同OSがある程度普及するまでは、開発者らがこれらの技術を利用したソフトウェアの開発を差し控えるという懸念がある。
「2006年中にリリースされるLonghornは、パフォーマンスやセキュリティ、信頼性の点で重要な前進となるだろう。また、それによって業界全体で斬新なアプリケーションの開発が加速することになる」とMicrosoft会長のBill Gatesは27日に語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」