Linuxデスクトップ環境の1つであるKDEの開発者らは、次期バージョンにGoogleスタイルの検索機能を追加して、ファイルを検索しやすくする計画を発表した。
KDEの次期バージョンとなる3.4もしくは4には、新しい検索機能が含まれると見られている。このバージョンは今後1年半以内にリリースされる可能性が高い。KDE開発者の1人Aaron Seigoは、現在ドイツのルートビヒスブルクで開催されている「KDE Community World Summit」で、KDEの開発者らがすでにこの新しい検索機能について議論をしており、またプログラミング作業も始まっていると述べた。
この検索エンジンは現行のKDEの検索機能をベースに構築され、コントロールパネルに含まれる。「われわれはコントロールパネルから利用するGoogleに似た検索システムを計画している。もちろん、ユーザーは今までどおり、ファイル名での検索もできるようになる」とSeigoは述べ、現状ではコンピュータ内のファイルを探すよりも、ウェブ上のファイルを探すほうがずっと容易だと指摘した。
Seigoによると、この検索ツールはKDEの次期バージョンに含まれる予定だが、ただし開発者らがそれまでに開発を完了できる保証はないという。
しかし、KDE開発者らはこの検索ツールによって、Microsoftの機先を制することができるかもしれない。Microsoftは以前から、Windowsのデスクトップ検索機能の改善計画を口にしてきている。
次期バージョンのKDEでは、検索機能の改善以外にも、いくつかインターフェースの拡張が計画されている。また開発者らはKDEのルックアンドフィールもシンプルにしたいと考えている。
「われわれはKDEの簡素化を計画している。開発者らは、いろいろなボタンなどを付けたインターフェースを構築したがるが、そうしたインターフェースは使いやすいものではない。われわれは機能を限定することなく、インターフェースをより直感的なものにしたい」(Seigo)
KDEプロジェクトにはプロのユーザービリティ専門家が3名加わり、インターフェースの改善にあたっている。
これまで開発者らは、あまり技術通ではないユーザーのニーズを満たしていなかったため、オープンソースのデスクトップソフトウェアには常に使い勝手の改善の余地があった、とSeigoは指摘する。
「オープンソースは伝統的にプログラマがプログラマのために作成したものだった」(Seigo)
Seigoは、KDEが今後どのようなものになるかは分からないが、人々がKDEをユーザーインターフェースとして意識しないくらい直感的になるよう願っていると述べた。
「KDE4がどんな姿になるかはわからないが、われわれはユーザーがこれを見てもインターフェイスだと気付かないようになることを願っている」(Seigo)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」