SCO GroupがIBMを相手取って起こしているLinux訴訟で、IBMはSCOの訴えを却下するよう裁判所に申し立てた。
IBMは13日(米国時間)、ソルトレークシティの連邦地裁に部分的略式判決を求める申し立てを行なった。その中でIBMは、SCOが管理するUnixオペレーティングシステム(OS)のコード利用契約にIBMが違反したとするSCOの主張に焦点を当てた。SCOは、Unixのコードを再利用したLinuxソフトを無償配布したIBMの行為が、越権行為に当たると主張している。
IBMの関係者はこの件についてのコメントを差し控えた。
同申立書は、「派生物」に関するSCOの主張に特に重点を置いている。ここでいう派生物とは、Unixコードの一部を利用して開発された後発ソフトを意味し、SCOは同社がそれらのソフトの管理権を有すると主張している。
これに対しIBMは申立書の中で、SCOの主張は、IBMがUnixの元の所有者であるAT&Tと交わした同OSに関する契約の文言に反しており、また契約書の作成に関わった当事者らの理解にも反すると述べている。
同申立書によると、AT&TとIBMの2社に代わってUnixに関するライセンスを行使し、交渉に関わった当事者は、両社の合意がIBMによる自社製コードの使用および公開の禁止を意図するものではなく、またそのように理解すべきではないと明確に証言しており、同時に作成された文書もこのライセンスの解釈を反映しているという。
さらにIBMは申立書の中で、AT&TからUnixを購入し、後にその権利をSCOの前身に売却したNovellが、SCOが取得したUnixに関する権利には派生物の管理権は含まれていないと最近主張していることから、SCOに派生的権利を与え得るいかなる解釈も否定される、と述べている。
同申立書には、Unixに関するAT&Tのライセンシング交渉に関わった多くの当事者の供述が引用されており、彼らは全員、派生的権利がSCOに帰属するとの解釈を否定している。サーバメーカーSequentの元バイスプレジデント、David Rogersは、そのような解釈は常識に反し、(仮にそのような解釈が認められていたら)Sequentは壊滅的な打撃を被っていただろう、と述べた。Sequentは後にIBMに買収されたが、SCOから数件の訴訟を起こされている。IBMは申立書の中で、Rogersの次の言葉を引用している。「ベンチャー投資を受けている新興企業の幹部として、会社の核となる製品に関する権利を永久に譲り渡すことなどありえない。全く馬鹿げた話だ。」
また同申立書には、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学者Randall Davisによる分析が引用されている。同氏は、SCOが同社のUnixに関する権利を侵害していると主張する問題のLinuxコードの分析を行なった。申立書によると、Davisは問題のLinuxコードには、Unix System Vのソースコードは全く含まれておらず、またUnix System Vのどのソースコードとも実質的類似性は認められない、と結論づけたという。
また同申立書によると、SCOはLinuxソフトの配布を続けており、つい二週間前にも実施したが、その中には同社の著作権を侵害している疑いのあるコードを含む製品も含まれているという。この行為により、SCOは自らの主張の説得力を損なっている、とIBMは同申立書の中で同社を非難している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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