インテルは29日、Xeonプロセッサの最新版を発表した。インテルのエクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)を採用したもので、同日発表されたのはワークステーション向けのもの。サーバ用プロセッサは、今後数カ月以内に発表予定だという。
今回発表されたXeonの速度は、2.8 GHz、3 GHz、3.2 GHz、3.4 GHz、3.6 GHzの5種類。同時発表されたE7525チップセットを組み合わせることで、「前世代製品より低消費電力が実現されるうえ、TCOの削減と最大30%の性能向上が可能だ」と、インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長の平野浩介氏は説明する。同プラットフォームには、EM64Tのほか、DDR2メモリやPCI Expressテクノロジ、800MHzシステムバスなどが採用されている。
インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長 町田栄作氏 |
国内では、デル、日本IBM、NEC、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、富士通などが、Xeon最新版搭載のワークステーションを同日発表または数カ月以内に発表する予定だ。
EM64Tを採用することにより、32ビット/64ビット対応チップであるAMDのOpteronと同様に、インテル製品でも32ビットアプリケーションから64ビットアプリケーションへの移行が可能となる。しかしインテルでは、Xeonの位置づけをあくまでも「エンタープライズクラスのワークステーション、フロントエンド、ミッドティアアプリケーション用」(インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長 町田栄作氏)とし、データベースやERPなど、ミッションクリティカルなエンタープライズソリューションに対してはItaniumを推進するとしている。今回の発表会でも、Xeonのソリューション事例としては、コンピュータグラフィックのレンダリングを高速に行うためにXeonを導入したCGアニメーションの制作会社、白組での事例が紹介されるなど、XeonのEM64Tはフロントエンドでメモリを多く必要とする際に最適だという切り口での紹介にとどまっている。
AMDとは全く違った方向性でXeonの64ビット拡張機能を売り込むインテルだが、同日に最新Xeon搭載のワークステーションを発表したデルや日本HPなどは、32ビットアプリケーションとの互換性を確保しつつ、追加投資なくスムーズに64ビット環境への移行が可能である点をアピールしている。数カ月後にインテルがXeonのサーバ版を発表する際には、各サーバメーカーからもXeon搭載サーバが発表されるとみられているが、その際にもインテルとサーバメーカーのメッセージは違ったものとなるのだろうか。
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