LinuxソフトウェアベンダーのRed HatとNovellは米国時間28日、それぞれのオペレーティングシステム(OS)にRealNetworksのオープンソースメディアプレイヤーを搭載すると発表した。
両社は、同日からRealNetworksの既存のHelix Playerのバンドルを開始し、今年後半にリリースが予定されているLinux用RealPlayer 10へのアップグレードも提供する計画だ。また、両社はRealNetworksと協力して、Helixをそれぞれ自社のソフトウェアに統合していくつもりだと述べた。メディアプレイヤーアプリケーションによって、ユーザーはコンピュータ上で音楽ファイルやビデオファイルを再生できる。
Red HatとNovellがオープンソースメディアソフトを採用した背景には、Microsoftに対して欧州連合(EU)が下した裁定がある。EUはMicrosoftに対し、他社のメディアプレイヤーと競合するWindows Media Playerを同社の主力製品Windows OSから切り離すように命じた。Microsoftを訴えているRealNetworksは、この訴訟で重要な役割を果たし、Windowsに自社のメディアプレイヤーをバンドルするというMicrosoftの方針は、市場での公平性に欠けると主張した。
EUは当初、28日までにメディアプレイヤーを搭載しないバージョンのOSを市場に投入するようにMicrosoftに要請していたが、同社が裁定を不服として控訴したため、EU当局は週末その命令を延期した。
RealNetworksは、オープンソース分野で自社ソフトウェアをメディアプレイヤーのデファクト・スタンダードにするために、各方面に積極的に働きかけてきた。RealNetworksは昨年、自社のHelixビデオ/オーディオ圧縮用技術や、Helix DNAメディアサーバのソースコードを公開した。このメディアサーバは、MPEG-4やWindows Mediaなど多くのファイルフォーマットをサポートしている。開発者は、研究用であればこのHelixソースコードを無料で利用でき、ライセンスを結べば商用製品としてリリースすることもできる。たとえばソニーはライセンスを結んで、このHelixサーバおよびビデオ/オーディオコーデックを、同社のホームエンタテイメント用製品Altairで利用している。
HelixはLinux用RealPlayer 10の基盤となるもので、SMILやMP3、Flash、RealNetworks自身のRealAudioやRealVideoメディアフォーマットなどのオープンソースコンポーネントや商用コンポーネントが含まれている。RealNetworksは、Linux用メディアソフトウェアのテストバージョンと、ソースコードをすでに公開している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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