かつてハイテク分野最大のイベントだった「Comdex」コンピュータトレードショーが、今年は開催中止となった。近頃は家電や専用IT機器などに重きを置くショーに関心が高まっており、その煽りを受けた形だ。
Comdexの主催会社MediaLive InternationalのバイスプレジデントEric FaurotはCNET News.comとの独占インタビューで、Comdexはここ数年、参加者も出典企業も数が減少していることから、同社はしばらくComdexの開催を見合わせる予定だと明らかにした。
「今年のComdexは黒字になるだろうが、幅広いIT業界の関心にあまり応えられないと感じている」とFaurotは述べている。米国外でのComdexは計画通り行なわれる予定だ。
Comdexは、会場のLas Vegas Convention Centerと2007年までの長期契約を結んでおり、2005年には実施を再開するとFaurotは主張している。しかし再開は、大手ベンダ各社で新結成された諮問委員会がComdexへのサポートを集められるかどうかにかかっている。
Comdexの起源は、1979年にあるカジノオーナーが開催したComputer Dealers Expositionにある。その4年後、若きBill Gatesが初の基調講演を行い、当時最新だったMicrosoftのDOS 2.0のデモを行った。Comdexは、世界最大のトレードショーの1つに数えられるほどに成長し、最盛期には参加者が20万人を越え、約9万3000平方メートルの会場を埋め尽くす展示が行なわれたが、ここ数年はハイテク業界の景気が低迷し、セキュリティの懸念から出張を取りやめる企業もあったことから勢いが衰えていた。
一方、ライバルトレードショーのConsumer Electronics Show(CES)は、Hewlett-Packard(HP)やDellなどのハイテク大手が、すでに日用品レベルになってしまったPCよりも多くの利幅を見込める家電機器に力を入れるようになったことなどから、発展してきている。 Comdexの問題の多くはドットコムバブル時代に端を発するもので、カンファレンスの前のオーナーが高額な出展料を課したため展示企業に外方を向かれたり、参加者らはイベントがあまりにも巨大化してしまったと苦情を述べるようになったりした、とFaurotは言う。 「Comdexのブランドは、90年代の無駄が現れてきてしまった。ブランドへの信頼を取り戻すには、しばらく時間がかかるだろう」(Faurot)
主要な出展者の多くは、Dellを筆頭として、1990年代後半にComdexへの参加を取り止めた。そして、後に再び参加するにはしたものの、メイン 会場とは別の場所で顧客やメディア向けに内輪のイベントを開くなどに留まり、現在に至っている。Faurotは、こうした企業が会場にブースを出す代わ りにホテルのスイートルームを借りてイベントを行うようになったこともComdexにとってダメージになったと認めている。
「実際、そういうやり方には非常に失望した」(Faurot)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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