ソフトウェアメーカーのSarvegaは、インターネットのネットワーキングモデルを、XMLやWebサービスの世界に導入しようと試みている。
この創業4年めになる会社は、XML(拡張マークアップ言語)で記述されたメッセージの内容を調べ、ネットワーク上の適切なポイントにそのメッセージを送信する「XMLルータ」というデバイスを開発した。Sarvegaはこの「XML Context Router」というデバイスを、来週行われる「Supercomm」ネットワーキングカンファレンスで発表する予定だ。
このXMLルータは、インターネット上でデータトラフィックを運ぶIPルータやスイッチを補完するよう考えられたものだ。通常のルータでは、ネットワークプロトコル情報を調べるが、SarvegaのXML Context RouterハードウェアはXMLベースのアプリケーションで送信される情報をもとに、データのルーティングを行なう。そのため、たとえば金融サービスの目的にXMLルータを使うと、決済の種類や規模に応じて、取引情報を異なる部門に振り分けることが可能になる。
XMLルータの最大のメリットはスケールする点にある、とSarvegaの幹部らは述べている。XML文書やWebサービスと呼ばれるXMLベースのプロトコルを用いて、インターネット上でアプリケーション間の情報交換を自動化するビジネスアプリケーションの数は、ますます増加している。
しかし、異なる企業にまたがるWebサービスアプリケーションの場合、通常はシステム管理者がインターネットのファイアウォールを手動で設定して、このパケットを通せるようにしなければならない。これに対して、XMLルータは情報を別のポイントに自動的に転送できるので、企業はビジネスパートナーとの間のネットワークのポイント接続作業を削減することが可能だ、とSarvegaの会長兼最高経営責任者(CEO)Christopher Darbyは述べている。
企業がXMLベースのアプリケーションを複数稼動するようになれば、アプリケーションレベルのルーティングはますます重要になる、とDarbyは述べている。またXML Context Routerは、XMLメッセージ配信の信頼性を高めるという。
Sarvegaは、このXML Context Routerのターゲットとして、通信サービスプロバイダや、XMLやWebサービスを大量に利用している大企業を想定している。また同社はこの他に、Webサービスアプリケーション数の少ない小規模組織向けのXMLセキュリティゲートウェイや、XML処理を高速化するXMLデバイスなども販売している。
同社は現在、顧客2社でXML Context Routerをテストしているところで、同製品は9月発売の予定。この製品の小売価格は1台4万5000ドルの予定だが、同社は大量購入の割引プランも計画しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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