三省堂書店が、日本IBMの検索用ソフトウェアを利用して店頭検索端末であいまい検索機能を実現した。両社が4月12日に明らかにしたもの。同端末を含む新システムは、まず3月22日に東京都千代田区の神田本店で、その後4月8日に全店舗で稼働を始めた。
新システムは、店頭に設置したタッチパネル式の書誌検索端末や、営業所の社員用検索システムから利用できる。Nグラム(N-gram)方式の全文検索エンジンと日本IBMの検索ソフトウェアDB2 Net Search Extender(NSE)を組み合わせることで、「書店の店頭用書誌検索システムに高速なあいまい検索機能を初めて搭載した」(両社)。
これにより、全角/半角や大文字/小文字の違い、長音記号の有無、「ヂ」や「ジ」など濁音の相違、誤記など、表記方法の揺れを吸収するという負荷の高い検索処理を高速処理できるようになったという。例えば、「芥川龍之介」で探す場合、「竜之介」や「龍之助」と間違った入力をしても、全著作を1秒以内に検索できた。
高速な検索が可能になったことから、「神田本店では、それまで1日約7800件だった検索件数が、約3倍(約2万2000件)に増え、顧客の利便性と販売機会が向上した」(両社)。
新システムは、在庫データ管理用のデータベースソフトウェアDB2 Universal Databaseを動かすUnixサーバIBM eServer pSeries 620と、DB2 NSEと検索用書誌インデックスを導入したIBM eServer pSeries 630を組み合わせて運用する。システムの構築はセイノー情報サービスが担当した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス