離れた場所から企業内ネットワークに接続するための、ブラウザベースの技術を採用する企業が増えており、各通信事業者はこのビジネスの獲得に乗り出している。
MCI(旧WorldCom)は今週、SSL(Secure Sockets Layer)暗号化技術を利用したVPN(仮想プライベートネットワーク)サービスの提供を開始した。ライバルのAT&TやSprintと同じく、MCIもAventailという新興企業のサービスを再販する。
MCIの新しいサービスは、IPSec(Internet Protocol Security)の暗号化技術を使用する現行のリモートアクセスVPNに代わる新たな選択肢になる。IPSecの場合、ユーザーはクライアントソフトをダウンロードする必要があるが、SSLでは標準的なウェブブラウザさえあれば、簡単に企業ネットワークにアクセスできる。
SSL-VPNは、ここ1年の間に、簡単で柔軟性の高いリモートアクセスサービスを求める企業ユーザーから人気を集めてきた。Infonetics Researchによれば、昨年企業がSSL-VPNを導入するために通信事業者に支払った金額は、約2億ドルだという。この金額は2005年には10億ドルに達すると予想されている。
しかし、市場調査会社IDCによれば、自社でこのサービスを導入している企業が全体の4分の3にのぼるという。これは、SSL-VPN関連で通信事業者に支払われる金額の大半が、粗利率の高い運用管理型サービスではなく、データの移送サービスへ流れていることを意味する。
「SSL-VPNの利点の1つは、設定と保守が簡単なことだ。面倒なクライアントソフトの管理が必要でないため、外注する必要もなくなる」と、Infonetics ResearchのアナリストJeff Wilsonは説明している。
各通信事業者は、end-to-endの包括的なサービスメニューを提供することで、この流れを食い止めようとしている。利用者側では、MPLS(MultiProtocol Label Switching)や、複数サイトを接続するためのIPSec-VPN、リモートアクセスを提供するSSL-VPNというように、用途に応じてVPNを選択できる。これに加えて、通信業者はSSL-VPNサービスと、ワイヤレス、DSL(digital subscriber line)、イーサネットといったアクセス技術をバンドルし、さらにファイアウォールやウイルス対策のような運用管理型のセキュリティサービスも追加している。
「SSL-VPNは、総合パッケージの一部だ。われわれはSSL-VPNだけでなく、すべてのサービスを使って、他社との差別化を図っている」と、MCIリモートアクセスサービス・プロダクトマネージャーのCarol Ballengeeは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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