富士通研究所は、従来の技術に比べデータサイズが2分の1以下になるという新しいモバイル機器向け差分圧縮技術を開発した。同社が3月29日に明らかにしたもの。同技術は、2004年2月に発売されたNTTドコモの携帯電話機FOMA F900iに搭載されている。
携帯電話機やPDAなどのモバイル機器では、バグ修正、仕様変更、機能追加などのため、無線ネットワーク経由でプログラムを更新することがある。その際、プログラムのデータ全体ではなく新旧データの差分だけを圧縮して送信すれば通信時間を短縮できる。
同社が開発した新技術は、差分圧縮のアルゴリズムと符号化を、モバイル機器に多く利用されているRISCプロセッサに特化させることで、高い差分圧縮効率を実現したという。具体的には、RISCプロセッサが得意とする、同じ命令の繰り返しやレジスタ変更の規則性といった処理を利用している。「データサイズは元データの10分の1以下、従来の差分圧縮技術に比べ2分の1以下という圧縮率を達成できた。モバイル機器のプログラム更新の時間短縮が可能となり、ユーザーの利便性が向上する」(同社)
また、同社は、同圧縮技術に対応した差分プログラム復元制御技術も開発した。この技術の特徴は、更新に必要な元データをブロック化して処理する点。こうすることで、差分データの復元中やプログラム書き換え中に電源が切断されるなどしても、正常に復帰/復元できるようになったという。
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