ラスベガス発--Microsoftは米国時間16日、Windowsシステムの管理を容易にする新しいソフトウェアと、この計画に関する新たな詳細を発表した。
当地で開催中のMicrosoft Management Summitで、同社は「Windows Update Services」へと名称が変更されたSoftware Update Services(SUS)の新バージョンが今週テスト段階に入ることを明らかにした。今年後半に出荷予定の同ソフトウェアは、システム管理者が最新のパッチやバグ修正を適用し、PCやサーバを最新の状態に保てるよう設計されたもの。
同ソフトウェアは当初、SUS 2.0として今年前半に出荷が予定されていたが、現在は2004年後半にリリース予定がずれ込んでいる。MicrosoftのWindows Server事業部担当のシニア・バイスプレジデント、Bob Mugliaがインタビューの中で語ったところによると、PCの電源を切る前に管理者がユーザーにWindowsへの新しいパッチのインストールを強制できるようになるなど、Microsoftはいくつかのセキュリティ機能を追加したかったという。
さらにMicrosoftは同カンファレンスで、Microsoft Operations Manager(MOM)2005がテストの最終段階に入っており、またSystem Center 2005が今週ベータテストに入ることについても明らかにした。これらは複数のWindowsサーバを管理するための大企業向けの製品だ。
このソフトウェアは、Windowsネットワークをもっと管理しやすくするためにMicrosoftが幅広く展開するDynamic Systems Initiative(DSI)と呼ばれるプログラムの一環となっている。
Microsoftは、コンサルティング会社のAccentureが実施した調査の結果に言及し、企業の情報技術担当者は労働時間の最大70%を既存システムの保守に費やしていると指摘した。Microsoftは、DSIを使うことでシステムのアップデートに関連するさまざまな作業を自動化し、この割合を55%にまで下げたいと考えている。
Mugliaは16日午後の基調講演のなかで、DSIの概略を説明した。同氏は、これまでとってきた措置の一部にも具体的に言及した。たとえば、Microsoftは先週50社の顧客およびパートナー企業に対し、System Definition Modelを構成するソフトウェアのプレビューを行った。このXMLツールは、開発者が自社のソフトウェアの動作について概要を説明するのに利用できるもので、理屈の上ではこれでIT担当者がプログラムを管理しやすくなる。
「DSIは長期的なビジョンだが、今日既に存在しているものでもある」(Muglia)
MugliaはDSIについて、ソフトウェアを書く人間と、そのソフトを管理する人間、そして実際にそれを利用するユーザーとの間で共有する情報量を改善することに焦点を当てていると説明した。こうした情報のやりとりは、IT部門の管理者や開発者同士の対話と、そしてこれらの人々に対し実際のユーザーが返すフィードバック、という2つの部分に分かれている。System Definition Modelは前者に対応するものだとMugliaは述べ、さらに後者に対してはより良いエラー報告やその他のツールが役に立つと付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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