IBMは米国時間16日に、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronチップ搭載ワークステーションを発表する。「IntelliStation A Pro」と呼ばれるこの64ビット対応マシンは、大容量のファイルやエンジニアリング用データを扱う顧客向けに設計された製品で、同社では5月の出荷開始を予定している。ワークステーションは金融モデリングやコンピュータアニメーションなど用途で利用されるハイエンドのデスクトップマシン。
IBMのIntelliStation製品担当ディレクター、Bob Lenardによると、64ビット対応のCADやエンジニアリング解析ソフトウェアを利用して、製品をつくりたいと考える企業にとって、Opteronチップは優れた性能を手頃な価格で提供するものだという。なお、IBMが初めてOpteronワークステーションの発売計画に言及したのは昨年のことだった。
Opteronチップは、32ビットソフトウェアや、これまで主にハイエンドのUnixマシンで使われていた64ビットソフトウェアを動かすことができる。64ビットに移行する大きなメリットの1つは、コンピュータが現行の32ビットマシンの制限である4Gバイト以上のRAMを利用できるようになることだ。
「我々はこれまで、とりわけWindowsやLinux分野での64ビットコンピュータの処理能力に対するニーズに注目していた」(Lenard)
たとえば、コンピュータで生成した製品モデルの中には、全体を表示すると4Gバイトのメモリを使いきってしまうものもある。したがって、IntelliStation A Proと16GバイトのRAMへのステップアップは理にかなったものだ、と同氏は説明している。
IBMは、IntelliStation A Proに対する需要にかなりの手応えを感じており、低価格のLinux搭載ハードウェアへの移行を考えているUnixマシンのユーザーや、低価格の32ビットハードウェアから機能の勝る64ビット製品へのステップアップを希望する顧客が、同製品を購入するのではないかとしている。
IntelliStation A Proの価格は約2600ドルからとなる。しかしLenardによると、顧客が発注するのは、メモリを大量に増設し、ハードディスクを追加、さらに高性能のグラフィックスカードを搭載した、5000〜8000ドルの価格帯に収まるマシンになりそうだという。
顧客は、MicrosoftのWindows XPもしくはRed Hatの64ビット版Linuxを搭載したマシンを選べる。64ビットバージョンのOpteron対応Windowsはまだ完成していないため、Windowsの顧客は最初は32ビット版を使い、後から64版にアップグレードする必要がある。Opteron対応の64ビット版Windows XPは今年後半の登場予定だ。
なお、IBMではOpteron搭載のIntelliStation A Proとインテル製チップを搭載したIntelliStations M ProおよびIntelliStation Z Proを平行して販売することになる。同社はまた今後登場予定の64ビット版Xeonを搭載したワークステーションも発売を計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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