Microsoft Officeに、先頃リリースされたアップデータを適用したところ、複数のソフトウェアメーカーのスパムフィルタで問題が発生したという例が報告されており、メーカー各社はこの修正用アップデータを修正しようと調査を急いでいる。
先週Office XPおよび2000用のService Pack 3(SP3)がリリースされたが、この問題はその後から見られるようになったもの。SP3には、広く利用されているOfficeのメールクライアント「Outlook」用のセキュリティパッチが複数含まれていた。
SP3のリリース後まもなく、人気の高いスパムフィルタ製品メーカー数社に、ユーザーからの問題報告が相次いだ。ユーザーらの話では、スパムフィルタがメッセージを遮断しようとするたびにOutlookが警告メッセージを表示し、別のアプリケーションがOutlookのアドレス帳にアクセスしようとしていると知らせるようになったという。
スパムフィルタのなかには、メール送信者が知人かスパム業者かを識別するのに、Outlookのアドレス帳を使用するものがあるが、今回の問題はこのことと関連している模様。SP3では外部アプリケーションによるアドレス帳へのアクセスを制限しているが、これはアドレス帳に記された情報を元に感染を拡大するワームやウイルスが多いためだ。
頻繁に警告メッセージが表示されても、スパムフィルタやOutlookの機能自体に別状はない。ただし、たくさんのメールを受信するユーザーにとっては迷惑なものだ、とスパムフィルタメーカーCloudmarkのマーケティングコミュニケーション部門担当バイスプレジデント、Tricia Faheyは述べている。
「(Outlookの表示するメッセージに対して)何度も"はい"のボタンをクリックしていけば、フィルタはきちんと機能する。しかしこれは苦痛この上ない」(Fahey)
業界をリードするセキュリティソフトウェアメーカー、Symantecの販売しているNorton AntiSpamという製品のユーザーは、SP3で別の問題に遭遇している。同社広報担当のPhil Weilerによると、同社には、ユーザーが(AntiSpamのために)受信メッセージの評価を変更しようとすると、Outlookのツールバーがフリーズするという報告が寄せられているという(Outlookでは通常こうした問題が発生した場合再起動しなければならない)。Symantecは現在この問題を調査中で、今週にもパッチを提供する見込みだとWeilerは述べた。
あるMicrosoftの関係者によると、SP3でのアドレス帳へのアクセス制限と同様のものが、すでにOffice 2003にもあり、スパムフィルタメーカーや他のソフトウェアメーカーの大半は、この技術に馴染みがあるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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