三菱電機は3月1日、情報漏えい防止システムを一元的に管理する「情報漏えい防止ソリューション」を発表した。建物内への入退室管理システムを統合し、ユーザーを1つのIDで管理できる点が特徴。システムをパッケージ化することで、価格を従来の5分の1程度に抑えた。3月2日から発売し、2004年度からの3年間で100億円の売上げを目指す。製品の製造・販売は三菱電機インフォメーションシステムズが担当する。
今回発表されたソリューションは、ファイルの暗号化やユーザー認証、証明書の発行、入退室管理などのシステムを連携させ、統合管理用ソフトウェアを使って一元管理するもの。これにより1枚のICカードで、入退室管理やアクセス権限に関する認証が行えるようになる。三菱電機インフォメーションシステムズ 取締役 第一事業本部 本部長の門脇三雄氏によると、「入退室管理システムを含めた統合ソリューションは業界初」という。
三菱電機インフォメーションシステムズ 取締役 第一事業本部 本部長の門脇三雄氏 | |
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情報セキュリティの評価認定制度であるISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の構築支援サービスも含め、10の製品群で構成されている。これらの製品群はあらかじめ連携が図られているため、予算に応じた段階的な投資が可能としている。
三菱電機は電子政府の推奨暗号の1つであるMISTYという暗号化技術を開発しており、官公庁を中心に納入実績がある。MISTYを利用した同社のファイル暗号化ソフトウェア「CRYPTOFILE」は現在約100社の導入事例があり、ライセンス数は2万件にのぼる。同社のセキュリティ関連の売上規模は、製品単体で30億円程度という。
今回の新ソリューションは、官公庁や自治体のほか医療機関や金融機関、民間企業に向けて販売する。三菱電機インフォメーションシステムズ インターネットビジネスシステム部 インターネットセキュリティセンター センター長の飯島康雄氏によると、「電子カルテの導入に伴って、医療機関からの引き合いが強い」とのことだ。また、2005年4月から民間企業に対しても個人情報保護法が適用されることから、今後は民間企業の需要が一気に伸びると見ている。
価格は製品によって異なるが、飯島氏によると統合運用管理システムの実現にかかる費用は1000万円程度という。従来は5000万円以上かかっており、5分の1程度でシステムが構築できるとしている。
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