サンフランシスコ発--Sun Microsystemsは、大手サーバメーカーのなかでLinuxを受け入れるのが一番遅かったかもしれない。だが、ほかのどのライバルよりもたくさんの恩恵をLinuxから受けるだろうと、同社最高経営責任者(CEO)のScott McNealyが主張している。
「オープンソースモデルは我々の味方だ」と、McNealyは米国時間11日に、当地で開催された同社のアナリスト向け会議で語った。
ソフトウェアは、一般に配布コストが安く、販売価格も安い。またオープンソースソフトウェアの場合、開発費も安く押さえることができる。そのため、オープンソースのソフトウェアによる圧力で、ソフトの価格はますますゼロに近づいているという。
「Sunは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて販売しているため、世界中のどの会社よりも、このような「ゼロ収益」モデルの影響を受けない。このビジネスモデルはソフトウェアだけを扱っている会社にとっては、大きなプレッシャーになる... IBMの収益も影響を受けるし、Microsoftにも大きな打撃になるはずだ」と、McNealyは説明した。
あるアナリストは、この意見に部分的に賛成した。「Sunは、たとえばMicrosoftなどに比べて、そうした状況にうまく対応できるだろう。ただし、IBMやHPにこれが当てはまるかどうかは疑問が残る」とIDCアナリストのMatthew Eastwoodは語った。
ライバルメーカーに比べ、長い間、Linuxを敬遠してきたSunだが、いくつかのオープンソースプロジェクトに貢献している。なかでも最も注目に値するのは、MicrosoftのOffice製品に対抗するOpenOffice.orgだ。
しかし、SunにはSolaris OSやJava Enterprise Systemサーバソフトウェアをはじめ、プロプライエタリなソフトウェアも数多くある。そして、Sunは、長期戦略として自社の知的所有権を駆使して利益をあげていくと強調している。実際、同社のソフトウェア責任者であるJonathan Schwartzは、講演のなかで、Solarisに対する同社のコミットメントを改めて確約した。「確かに我々は自社のOSを捨てて、すべてLinuxに移行するつもりはないと主張してきたことで、時流に遅れているとみなされているかもしれない」(Schwartz)
Schwartzは、IntelのXeonやAMDのOpteronのようなチップをベースにするx86サーバ向けにソフトウェアを書いている開発者にとって、Solarisや付属の開発ツールがますます興味深いものになると予想している。
現在、SolarisはSunのUltraSparcチップ以外では、ほとんど使われていない。
LinuxやOpenOfficeのようなオープンソースソフトウェアによって、Sunは、Solarisがこれまで興味を示されなかった分野に進出している。たとえば、デスクトップPC向けのJava Desktop System(JDS)はLinuxをベースにしたものだが、Sunはこの分野でもSolarisが遅れを取り戻せるよう取り組みを進めているところだ。
Sunは昨年11月に、中国で50万ユーザー分のJDSを提供する契約を結んでいる。同社のデスクトップソリューション担当バイスプレジデントのCurtis Sasakiは、あるインタビューに応えて、英国政府との契約でも最大で50万ユーザーがJDSを利用すると見られていると述べた。
さらに同氏は、JDSのパイロットテストには約100社が参加していると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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