米インテル、ノートPC向け低価格版プロセッサ「Celeron M」を発表

 米Intelは5日(米国時間)、ノートPC向けの低価格プロセッサを発表した。同社は、この製品でワイヤレスコンピューティングの大々的な普及を狙う。

 今回発表されたCeleron Mプロセッサは、昨年3月に登場したPentium Mの低価格版。Intelによると、この新しいチップは、Pentium Mと同じプロセッサコアを使っているが、2次キャッシュの容量が512KBと少ないため、Pentium Mに比べて動作速度が遅くなるという。同社幹部は昨年、2004年のはじめにはCeleronの低価格版を発表すると語っていた。

 現在のPentium Mには1MBのキャッシュが搭載されているが、2月に発表予定の新しいPentium M(コードネーム「Dothan」)のキャッシュ容量は2MBになるという。Dothanでは、データスループットを向上させるために、チップセットも改良されたものと組み合わされる。一般に、プロセッサのパフォーマンスを向上させるには、より大容量のキャッシュと新しいチップセット(プロセッサの機能を補うチップの集まり)が追加される。

 新しいCeleron Mも、Pentium Mには及ばないが、消費電力を削減するように設計されている。ワイヤレス対応のノートPCにとって、電力消費量が少ないことは重要な課題だが、例えば新しいCeleron Mでは、Intelの開発したSpeedStepという技術を採用していない。SpeedStepは、パソコンがバッテリーで駆動している場合に、プロセッサの処理速度を遅くして、電力消費を抑える技術である。

 今回の新しいチップファミリーの発表は、Wi-Fiを普及させるというIntelの戦略を前進させるに違いない。すでに日本やヨーロッパのユーザは、ワイヤレス機能が備わった小型軽量のノートパソコンに関心を持ち始めている。しかし、米国では、依然としてデスクトップクラスのプロセッサを搭載する、大型の重いノートPCが好まれる傾向にある。ワイヤレス対応のノートPCを購入する米国のユーザは、大抵が2台目か3台目としてこれを購入する、経験豊かなユーザだとアナリストは述べている。

 Intelによれば、2004年のCeleron販売促進の一環として、広告キャンペーンや、ワイヤレス標準802.11gや802.11aに対応したWi-Fiチップなどの新製品も登場させるという。

 それでも、Intelは、Mシリーズが生みだした大きな性能のギャップを埋めなければならない。Pentium MやCeleron Mの基本部分は、Pentium 4のそれとは設計が異なっている。Mファミリーのチップは、通常のPentiumやCeleronと比べて、ベンチマークテストの結果では見劣りしないものの、実際の動作速度はかなり遅い。

 新しいCeleron Mの処理速度は最高で1.3GHzだが、通常のノートPC向けCeleronでは2.5GHzを超える。個人ユーザーはノートPCを選ぶ際に、チップの動作速度(の数字)を気にする傾向があり、こうした傾向が変わるかどうかはまだわからない。

 5日に発表されたのは、動作速度が1.3GHzと1.2GHz、それに800MHzで動く超低電力型のCeleron Mという3つのチップである。1.3GHzと1.2GHzのチップは1.356ボルトの電流で動き、最大電力消費量の尺度となるサーマルエンベロープは24.5ワットとなっている。一方、800MHzのバージョンは、1.004 voltsの電流で動作し、サーマルエンベロープは7ワットだ。

 1000個発注時の価格は、1.3GHzが134ドルで、1.2GHzが107ドル、また800MHzバージョンは161ドルとなっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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