先頃、修正用のパッチが出されたばかりの米Microsoft製品の欠陥を悪用し、攻撃者が1年前にインターネットで急速に広まったSQL Slammerに似た、動きの速いワームをつくりだす可能性があると、あるセキュリティ調査会社が米国時間9日に警告を発した。
米Core Security Technologiesは、Microsoftが先月発表したWindowsワークステーションの脆弱性に悪用の恐れがあることを発見した。これは、SQL Slammerワームが瞬く間にインターネット全体に広まった時に使われたのと、同じ種類のデータを使うことで可能になるという。
また同社の報告には、この夏のMSBlastワームの蔓延につながったWindows Messengerサービスの欠陥が、同じ「撃ちっぱなし」のユーザーデータグラムプロトコル(UDP)パケットを使うことで、悪用される可能性があるとも指摘している。この場合、パケットはコンピュータ同士が接続を確立するための、時間のかかるプロセスを必要としない。そのため、送信元のコンピュータはパケットが送り先のコンピュータに着くかどうかを心配せずに、高速でパケットを送信できる。
同調査から、攻撃者がネットワーク上のコンピュータを個々に狙う必要がなく、攻撃ワームを一斉送信できることがはっきりした。このような戦術を使えば、昨年発生したSQL Slammerワームよりも急速に広まるワームを実際につくりだすことができる。
Core STによれば、同社は米国時間9日に、Microsoftに対してこの脆弱性の危険度が高まっていることを知らせたが、その日のうちに連絡はなかったという。また、この脆弱性に対応するパッチがすでにリリースされていたので、Core STはこの脆弱性について公表するのにMicrosoftからの回答を待つ必要はないと判断したという。
CNET News.comがMicrosoftに連絡したところ、同社はユーザーに対してパッチの適用を促し、また欠陥を悪用する新しい方法が次から次と出てくることを強調した。
「今後攻撃ベクトルが一切登場しないと言いきることはできない。我々はこの脆弱性を重大だと考えて、『重大』と評価した。パッチを適用することで、この問題を回避できる」と、Microsoftセキュリティプログラム管理者のIain Mulhollandは語った。
Core STは、このパッチを適用することで攻撃を防げることを認め、Microsoftと同様にユーザーにパッチをあてるよう促した。しかし、同社はMicrosoftが以前に示していた回避策では、UDPパケットを使った攻撃からコンピュータを守ることはできないと警告した。こうしたデータはまた、ほとんどのファイアウォールを迂回するよう設定することができるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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