マイクロソフトは12月9日、都内で開発者向けのカンファレンス「Microsoft .NET Developers Conference 2003」を開催した。米国以外で同カンファレンスが開催されるのは今回が初めてとなる。基調講演には米Microsoft .NETディベロッパ プラットフォーム チーム ジェネラルマネージャーのデビッド・トレッドウェル氏が登場し、Windowsの次期バージョンとなるLonghornを紹介した。
トレッドウェル氏はLonghornを「Windows 95以来の大々的リリースになる」と語る。Windows 95はWin 32やCOM(Component Object Model)を導入したことで業界に大きな影響をもたらしたと指摘し、「LonghornはWindows 95の登場と同じくらい大きな飛躍だ」(トレッドウェル氏)と語る。
MicrosoftはLonghornのリリース時期を明らかにしていないが、アナリストらの予測では2006年に発表される見込みだ。トレッドウェル氏も講演の中で、PCは2006年に4〜6GHzのCPUを搭載すると予測し、その力をさらに生かすのがLonghornだと語っている。
米Microsoft .NETディベロッパ プラットフォーム チーム ジェネラルマネージャーのデビッド・トレッドウェル氏 | |
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Longhornの核となるのはプレゼンテーションシステムの「Avalon」(コード名)、新ファイルシステムの「WinFS」(コード名)、新Webサービス用通信技術の「Indigo」(コード名)、そしてプログラミングインターフェースの「WinFX」(コード名)の4つ。WinFXは、.NET Frameworkが進化したものとされ、Microsoftが大きく力を入れている分野だ。
WinFXではWin32との互換性が維持されるという。WinFXにより、アプリケーションの開発が今まで以上に早く簡単にできるとトレッドウェル氏は強調し、「魅力的なアプリケーションが書きやすく、最低限の労力でユーザーのニーズに応えることができる」と訴えた。さらに、マネージドコードを利用することでバッファオーバーフローのようなバグがなくなり、安全性が高まるとした。
Avalonでは音声入力や手書き入力に対応するという。また、Windowsのためのマークアップ言語「XAML」が紹介された。XAMLは「HTMLのように何を実現したいかという意図を記述する宣言型の言語だ」(トレッドウェル氏)といい、プログラマにとって記述しやすく、読みやすい言語であるという。さらにコードとコンテンツを分離できることから、開発者とデザイナーが独立して作業ができるようになるとした。
講演ではほかにも、Webサービスを構築するためのフレームワークとされるVisual Studio.NETの新バージョン「Whidbey」(コード名)、SQL Serverの「Yukon」(コード名)などが紹介された。いずれもLonghornより早く市場に投入される予定という。
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