Linuxカーネルの現行バージョン、2.4の開発を監督しているプログラマは、まもなく登場する2.6カーネルへの迅速な移行を促すため、バージョン2.4への新機能の追加を(2.6リリース後すぐに)停止する予定だと明かしたが、この決定が一部のプログラマを苛立たせている。
Marcelo Tosattiは、LinuxのリーダーLinus Torvaldsに、Linux 2.4カーネル管理の代理人として任命されている。Tosattiは、先週Linux Kernelメーリングリストへの投稿のなかで、次の2.6カーネルの完成度は十分高いので、こちらを新たなプロジェクトの基盤とするべきだ、と述べた。
Tosattiは、現在開発中のバージョン2.4.24については、重要な変更や一部の新ハードウェアのサポート追加を受け付ける。しかし2.4.25以降のバージョンは、セキュリティ欠陥などの重大な問題の修正のみのリリースとなる、とTosattiは述べている。
Tosattiは、Linux Kernelメーリングリストへの12月1日(米国時間)の投稿で、「2.6は日々ますます安定してきており、今月か来年1月には2.6.0がリリースされると期待している」と記している。
新しい2.6カーネルは現在最終テスト段階で、管理者のAndrew Mortonは11月の時点で、12月にリリースの予定だと述べている。新カーネルには、大規模なマルチプロセッササーバでの性能向上などいくつかの機能が盛り込まれており、Linuxが企業顧客にとってより魅力あるものになりそうだ。
しかし、なかには、未テストのソフトウェアには急いで移行したがらない人々もおり、Tosattiの決定は、こうした人々には受け入れられていない。
「この後のシナリオに恐怖を感じている。そしてこのシナリオは、まもなく実際に起こる可能性が非常に高い」とJan Rychterは3日の投稿に記している。「2.4は『純粋なメンテナンス』モードに移行されようとしており、皆が2.6に移行するように言われている。2.6への移行はゆっくりとしたものだが、Linusが2.7の開発をスタートさせ、カーネル開発者はみな、実にクールでファッショナブルな事柄に移行し始める。バグ修正よりも新機能の開発の方がよっぽどクールなので、2.6のバグレポートにはほとんど関心が払われなくなる」(Rychter)
しかし、新カーネルに注意を移すのは、別に理屈に合わないことではないと米D.H. Brown Associatesのアナリスト、Tony Iamsは言う。「私には、開発者が(2.4ではなく)2.6への新機能追加に取り組むのは、理に適った話だと思える。新しいリリースが出たら、前のバージョンはメンテナンスモードに変わる。商用あるいはオープンソースを問わず、どんなソフトウェアのリリースでもそういう仕組みになっている」(Iams)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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