Opteron用Fedoraの開発で、外部の手を借りる米レッドハット

 米Red HatのFedoraバージョンのLinuxを、米Advanced Micro Devices(AMD)製Opteronプロセッサで稼動させようと、その開発を進めていた独立系プログラマーらが、そのテスト版をリリースした。Red Hatが進める外部の開発者を巻き込んだ開発への取り組みが、まずまずの成功を収めたといえる。

 プログラマーのJustin M. Forbesは11月29日(米国時間)、AMDの64ビットプロセッサ、OpteronとAthlon 64上で動く、同OSのプレビューバージョンをリリースした。Red Hatの通常のFedoraバージョンは、米IntelのPentiumやAMDのAthlonといった32ビットプロセッサで稼動するが、たとえば大量のメモリを扱えるなどのOpteron特有の特徴を活用することはできない。

 Fedoraは、Red Hatが無償で提供しているLinuxだが、それ以前のバージョンとは異なり、主に実験目的での利用を想定している。Red Hatでは、長期的なサポートや、Linuxが特定のハードウェアやソフトウェアと問題なく機能する保証が必要な顧客に対しては、同社のEnterprise Linux製品を販売している。

 Fedoraプロジェクトは、オープンソースコミュニティの活動の一部を、Red Hatが正式に支援しているもので、誰でもソフトウェアのソースコードを閲覧・変更・再配布できる。Fedoraのテストだけでなく開発でもLinuxプログラミング愛好者の助けを得ようとしているRed Hatは、同ソフトに対しては緩やかな管理しか行っていない。

 Fedoraプロジェクトのこのポリシーこそ、Forbesを開発への参加に踏み切らせた理由だ。Forbesはテキサス州ダラス在住の27歳のプログラマーである。

 「これが実現したのは、まさにFedoraのポリシーのおかげだ」とForbesはインタビューのなかで述べている。「今までは不可能だったとは言わないが、もっとずっと困難だったはずだ」(Forbes)

 Forbesは、Fedoraプロジェクトでは外部者がRed Hatのプログラマーと連絡が取りやすいこと、また後にはどんなソフトウェアをFedra内部で使用するかについて公認する権限も与えられたことに、魅力を感じたと述べている。

 しかしながら、Fedoraによって問題が生じた側面もある。Red Hatが2002年にRed Hat Enterprise Linuxの計画が発表するまでは、同社ソフトウェアの企業バージョンは無料で入手可能だった。

 企業向けの製品を有償のRed Hat Enterprise Linuxに移行したことで、同社の利益はこれまでよりも増加した。しかし無料の企業バージョンからの撤退で、同社製ソフトウェアのトライアル利用ができなくなったというマイナスの面もあると、米RedMonkのStephen O'Gradyは指摘する。「Red Hatは今後多くの場面で、こうしたトライアルの機会を無くしたことを後悔するだろう」(O'Grady)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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