小さなパソコンメーカーとLinuxディストリビュータが共同でタブレット型のパソコンを開発し、このほど999ドルという価格で売り出した。この値段は、米MicrosoftのWindows XP Tablet PC Editionソフトウェアを搭載した同様のデバイスより数百ドルも安い。
ニューヨーク州スタテンアイランドにあるパソコンメーカー、Element Computerが発売した「Helium 2100」は、通常のノートパソコンのように使ったり、画面を折りたたんでタッチスクリーンのタブレットデバイスのように使ったりできる、スライドスクリーン付きのコンバーティブルパソコンだ。
Helium 2100には、台湾のVia Technologies製1GHz Antaurプロセッサと、30GBのハードディスクが搭載されており、米LycorisがカスタマイズしたLinuxオペレーティングシステム(OS)が稼動する。Lycorisは、LinuxをMicrosoftのWindowsに似たユーザーインターフェイスにすることを専門にしている企業だ。
Element Computer社長のMike Hjorleiffssonによると、同社はViaのリファレンス設計を利用し、標準的なLinuxコンポーネントをいくつかのカスタマイズされたアプリケーションと組み合わせたという。同氏の話では、統合が最も困難だったのはペン入力で操作する機能の部分だったという。Heliumでは、基本的なタッチスクリーン機能がサポートされているが、来年はじめに予定されているソフトウェアアップデートに間に合わせるべく、現在完全な手書き認識プログラムを開発しているという。
Heliumは、WindowsからLinuxに転向した人々と、タブレットコンピューティングを低コストで試してみたい企業の両方にアピールできる製品だと、Hjorleiffssonは述べている。「たくさんの医療関係者が、これに関心を示している」(Hjorleiffsson)
タブレットコンピューティングのポータビリティや利便性に関心があり、Heliumの価格設定に興味を示す企業はますます増えるはずだと、Lycorisのマーケティング部門副社長Jason Spisakはいう。
「我々は、Heliumが、たとえばタブレット型のパソコンにメリットを感じるものの、2000ドルも出してMicrosoft製OSを搭載した製品を購入するほど余裕がないという、外回りの多い平均的なビジネスマンのような、より幅広い層のユーザーにアピールすることを期待している。いままで躊躇していた企業でも、この価格なら、ふつうの従業員にタブレットデバイスを提供しやすくなるだろう」(Spisak)
MicrosoftのTablet PC OSを搭載したパソコンは、昨年のリリース以来、市場でささやかながらも着実に販売台数を伸ばしてきている。パソコンメーカーの中には、Microsoftによる高い価格設定が、売上を損なっていると苦情を述べているところもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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