電子商取引推進協議会(ECOM)は11月20日、三菱総合研究所と共同で行った「電子自治体の構築状況とワンストップサービスに関する実態調査」について、調査結果を発表した。共同アウトソーシングの導入状況や、住民向けサービスなど個別業務システムへの取り組み状況(電子自治体の構築状況)、各種情報の掲載などウェブサイト活用状況(ワンストップサービスと官民連携ポータルへの意向)といった項目について調べたもの。
この調査の目的は、電子自治体に関連する個別業務ごとの推進状況やワンストップサービスについて、地方公共団体の意向を把握すること。全国の3250団体を対象に実施し、21%にあたる700団体から回答を得た。前年度に行った「電子自治体構築におけるアウトソーシング活用の実態調査」の継続調査として実施したもので、第2回目に当たるという。
主な調査結果は以下の通り。
【共同アウトソーシング】
- 共同アウトソーシング検討への参加状況は、参加/不参加ともほぼ半数を占める
- 人口10万人以上の自治体では7割以上が参加。人口1万人未満では8割の自治体が合併を検討中ということもあり、未参加が56%あった
- 人口10万人以上の自治体では、共同アウトソーシングの効果として80%以上が調達/導入費用、保守/運用費用に期待しているという。一方、共同アウトソーシングの問題点として「自庁向けカスタマイズが困難」という回答が71%あった
【電子自治体の構築状況】
- 各個別システムによって進捗状況は異なるが、都道府県や人口10万人以上の自治体では、前年度の調査に比べ「運用中」「構築中」「検討中」の割合が増加し、「未計画」の割合が減少した
- その一方、人口10万人未満の自治体は前年度同様「未計画」が多く、大きな進捗は見られない
【ワンストップサービスと官民連携ポータルへの意向】
- 官民連携ポータルへの自治体側の興味関心は高く、過半数の自治体が「興味がある」「内容によっては興味がある」と回答した
- 官民連携ポータルとして例示した事例では、興味の高い順に「地域観光ポータルサイト」(83%)、「公金支払いポータル」(71%)、「引っ越しポータルサイト」(60%)となった
- 官民連携ポータルの実現可能性については、「地域観光ポータルサイト」で「実現可能」「内容によっては実現可能」とした自治体が72%あった。しかし、「引っ越しポータルサイト」と「公金支払いポータル」の実現可能性はそれぞれ37%と32%で比較的低く、「実現不可能」と考える自治体も前者で24%、後者で19%に上った
- ワンストップサービスの実現における意見/要望/期待については、「現行の法律などがネックなっていることが多く、国の法制度の整備が必要」(中部、市区町村)といった「法制度、条例などの整備」が最も多い。次いで「体制の整備」「人員の確保」といった意見が目立った
調査の報告書(PDF形式)は、ECOMのウェブサイトからダウンロードできる。
電子商取引推進協議会のプレスリリース
三菱総合研究所