新興企業の米Softricityは、Windowsのデスクトップアプリケーションの管理にかかるコストを、サーバソフトによって削減しようとしている。この製品は、IT業界全体で盛り上がるユーティリティコンピューティングのビジョンを1歩前進させるものだと、同社は話している。
Softricityは17日(米国時間)、同社のシステム管理ソフトウェア「SoftGrid」のアップデートを発売した。SoftGridは、企業がWindows用のデスクトップアプリケーションの管理やインストールを行ないやすくする製品で、現在約70社の企業顧客がこのソフトウェアを利用しているという。
Softricityのソフトは、デスクトップアプリケーションをサーバから起動することで、デスクトップソフトウェアのメンテナンスをやりやすくするよう設計されている。SoftGridでは、ソフトウェアの設定やインストール、テストを個々のパソコンで行うかわりに、中央にアプリケーション用の保管場所をつくり、各アプリケーションはそこからネットワーク経由で社内のエンドユーザーのもとへ「ストリーム」配信される仕組みになっている。
SoftGridは、ローカルマシンに各アプリケーションの「キャッシュ」を保存する。これは、そのデスクトップマシンの設定には影響しない。これにより、パソコンを手で設定する必要がなくなるので、企業は新規アプリケーションのインストールや、既存ソフトウェアを変更しなければならない場合の費用を節約できる、とSoftricity幹部は述べている。
Softricityのサーバソフトウェアを使えば、複数のアプリケーションを1カ所にプールし、必要に応じて提供できることから、同サーバソフトウェアは「アプリケーションの仮想化」を実現している、と同社は主張する。仮想化技術は、ユーティリティコンピューティングというコンセプトの重要なコンポーネントと考えられており、米IBMや米Sun Microsystemsなどの大手企業は、仮想化技術に重点的に投資している。
米Forrester ResearchのアナリストRichard Ficheraは、Softricityに関する最近の調査レポートのなかで、このソフトウェアは他のサーバベースのソフトウェア配信システム、特に米MicrosoftのTerminal ServerやCitrixのMetaFrameに代わる選択肢となるかもしれない、と述べている。
「Softricityには、規模の小さな企業が背負うすべてのリスクある。しかし同社のソリューションは、効率的なデスクトップ利用に対する切実なニーズに応えるものに見える」(Fichera)
SoftGridのバージョン3.0は、ユーザーが企業ネットワークに接続していなくても、ソフトウェアを利用できるよう設計されている。またこのバージョンでは、MicrosoftのActive Directoryと連動してユーザーのネットワークログオン情報を認証するほか、ソフトウェアパッチの自動配信にも対応した。価格は約1万5000ドルからとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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